経理の転職活動

【上場企業の経理はきつい?しんどい?】苦労した仕事と改善策を現役経理が解説

上場企業は法令遵守を意識しており、システムも完備されているので全体的に経理は働きやすくホワイトです。

上場企業特有の開示業務や厳しい監査対応は馴れるまでは辛く感じるかもしれません。

しかし、対処方法を抑えればきつい仕事に慣れるのも早く、徐々に働くのが楽になります。

この記事では、上場企業の経理に興味がある方向けに、上場企業の経理できつい仕事とその対処方法を解説します。実際に私は上場企業の経理で働いているので、体験談をもとにリアルな現場の声をお届けします。

では、纏めていきます。

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【前提】経理が未経験なら1年間はしんどいので我慢

経理は未経験者には業務の全体像が掴めないので辛く感じます。

税務申告や期末決算など年に1回しかない業務もあるので、1年目は業務の優先順位や事前に準備ができずに場当たり的な対応になります。

なので、業務が後手後手になり仕事が上手くいかないと感じることが多いのではないでしょうか。

会計士や税理士などの専門職であっても1年目は苦労するので、1年目に思い通りに仕事が出来なくても過度に心配する必要はありません。

Excelの勉強や業務に関連する本を読んで勉強をすれば、2年目からは業務に慣れてきますよ。

経理で使うExcelが学べる本→【経理で使うExcelが学べる本5選】エクセルで業務効率化を狙える書籍を紹介

【結論】上場企業の経理は働きやすいが一部の業務は苦労する

上場企業は福利厚生や法令遵守の意識が高く全社レベルで働きやすく、会計システムの性能も良いので経理部も例外なくワークライフバランスを確保できます。

上場企業は規模が大きいく、厳しい監査基準をクリアする必要がある点では非上場企業の経理よりも苦労はします。

しかし、全員が高度な会計知識を有している必要はなく、チーム全体で解決をすれば良いので1人が責任を負うことはありません。

一部の苦労する業務も対処方法を知っていれば、徐々に業務に慣れて対処をすることができるようになります。

なので、上場企業の経理であっても経理は働きやすい職種です。

経理のワークライフバランス→【経理は楽なの?】現役経理が特に楽な業界と仕事の特徴を語る

【キャリアアップ】上場企業の経理経験は転職で有利

上場企業の経理を経験すると、経理としての市場価値が上がります。

具体的には下記の項目が評価されます。

  • 上場企業特有の会計処理の経験を積んだこと
  • 上場企業の厳しい基準で経理の実務を行っていたこと
  • 規模が大きい会社で経理経験を積んだこと

なので、上場企業の経理を一旦経験すれば、再度転職をするときに高年収を確保しやすくなります。

市場価値が高い経理の特徴→【経理で市場価値を高い人材は?】グローバル経理が解説【高年収を狙う】

【具体例】上場企業の経理できつい仕事4つ

上場企業 きつい

上場企業の経理できつい仕事を具体的に解説していきます。

まずは、箇条書きで挙げていきますね。

  1. 厳しい監査法人の対応
  2. 若手や派遣社員のマネジメント
  3. 大規模な連結決算業務(特に海外子会社)
  4. 会計基準や税法の改正対応

では、一つ一つ解説していきます。

①厳しい監査法人の対応

上場企業の監査法人の対応で主な業務は、毎四半期(3ヶ月ごと)に実施される四半期決算の監査の対応です。

監査法人の対応で【きつい】のは主に3点です。

  • 監査法人からの質問に会計的な見地から回答しなくてはならない
  • 監査の指摘をされた箇所を改善する必要がある
  • 監査法人と意見が対立した場合には交渉が必要となる

監査対応は非定型業務であり、かつ交渉力も必要ですので慣れるまでは苦労します。

私は監査対応も担当していますが、会社を代表して説明するので緊張感がありました。

しかし、監査対応ができることは業務を完璧にマスターしていると同じことなので、マスターする価値はあります。

②若手や派遣社員のマネジメント

上場企業は部門の人数が多いので、20代後半や30代前半から派遣社員や後輩に指導することを求められます。

派遣社員を多く雇用している会社であれば、20代後半で派遣社員と新人数名のチームをマネジメントすることも珍しくありません。

私は20代後半で派遣社員と後輩の指導を行っていましたが、【きつい】と思ったのは下記の3点です。

  • 自分の業務と他のメンバーへの指導を同時に行うこと
  • 自分とメンバーの会計知識の差
  • メンバー間のモチベーションの差

自分一人で業務を行っていたときは、自分の担当部分が出来てれいれば良かったので管理が楽でした。

しかし、若手でチームマネジメントを担うと、実務と並行してチームのメンバーにOJTをしながらチーム単位の進捗管理をする必要があります。特に会計知識は簿記のレベルで大きく異なるので、誰にでも分かるように専門用語を使わないで説明するのは非常に辛いです。

会社の意図としては、管理職になる前にマネジメントのプレ経験を積ませるのが目的です。

なので、マネジメント経験を早期に体験できる良い機会と考えて前向きに頑張りましょう。

③大規模な連結決算業務(特に外国子会社)

連結決算業務は経理の花形業務の一つで、連結決算業務が担当できると市場価値が上がります。

しかし、連結決算業務は複雑な会計処理が多く、海外子会社の数が増えれば増える程に難易度が上がります。

そのため、海外子会社を含めた子会社を多数保有している上場企業は、連結決算業務が複雑化します。

実際に私も担当していましたが、【きつい】と思ったのは下記の3点です。

  • 海外子会社の経理との異文化コミュニケーション
  • 増資、減損などの特殊論点が起きた場合
  • 期末の有価証券報告書(単純にボリュームがあるのできつい)

海外子会社に経理の駐在員を派遣していない場合には、現地と直接やり取りすることとなります。

なので、英語で会計の専門的なやり取りをする必要があります(90%はメールで何とかなります)。

日本人なら一瞬で伝わることも、現地とでは文化と言語の違いから苦労することは多々あります。

しかし、連結決算業務が出来ると経理部でも信頼されて、一目置かれる人材になります。

連結決算でおすすめな本→【連結決算を学ぶのにおすすめな本5冊】解説がわかりやすい書籍を紹介

④会計基準・税法の改正対応

会計基準や税法の改正が入ると、改正の対応のために経理は下記の動きを取ります。

  1. 改正内容の精査
  2. 改正の影響がある業務の洗い出し
  3. 新しい会計処理や業務フローの策定【原案】
  4. 監査法人と整合
  5. 関係部門と子会社に説明
  6. 5のF/Bを織り込んで会計処理と業務フローの策定【最終案】
  7. 監査法人と最終整合
  8. 運用開始

1番【きつい】のは、5と6です。

関係部門や子会社の意見を反映しながら業務フローを作成する必要があるので、調整業務に慣れていないと上手くいきません。

関係部門や子会社の数が多ければ多いほど調整の工数がかかります。

経理単独で対応できる改正ならば楽ですが、大規模の改正だと全社を巻き込んで対応する必要があります。

会計基準・税法の改正対応は上場企業のなかでも苦手とする方が多く、管理職クラスが陣頭指揮を取ることもあります。

【改善策】上場企業の経理の仕事に早く慣れるコツ4つ

上場企業の経理の仕事に早く慣れるコツがあります。

コツを掴めば上場企業の経理であっても、苦労する業務はほとんど無くなりますよ。

では、対策を箇条書きにしていきます。

  1. 監査対応に必要な3つのスキルを身につける
  2. 連結決算業務のマスターに必要な3つのスキルを身につける
  3. 経理のマネジメントの3つのコツを理解する
  4. 調整業務の5つのコツを理解する

では、一つ一つ解説していきますね。

上場企業の経理を学ぶのに役立つ本→【上場企業の経理の仕事内容が勉強できる本5選】本当に実務で役立つ書籍を紹介

①監査対応に必要な3つのスキルを身につける

監査対応は3つのスキルがあると、徐々に楽になっていきます。

  • 日商簿記2級レベルの知識(連結担当は日商簿記1級)
  • 会計基準を読める力と具体的な事例に当てはめる力
  • 交渉力

監査法人への回答の基本は、会社の処理が会計基準の【何の条項】に該当しているので会社の処理は妥当である、と言う結論にする必要があります。

なので、会計基準を読む力と、具体的な事例へ当てはめる力が必要となります。これらの処理を行うには、会計の基本を理解している必要があります。すなわち、日商簿記2級レベルの知識が必要不可欠となります。

また、当てはめた結果が監査法人の見解と異なった場合には、交渉で会社と監査法人との間で落としどころを見つける必要があります。

交渉力の向上におすすめの本→【交渉力が身につくおすすめの本】折衝力を高めるのに役立つ書籍を紹介

②連結決算業務のマスターに必要な3つのスキルを身につける

連結決算業務をマスターするには、3つの点で努力する必要があります。

  • 海外子会社とメールでやり取り可能な英語力(TOEIC600点)
  • 現地とのコミュニケーションの取り方の工夫
  • 日商簿記1級レベルの知識(日商簿記2級レベルの知識は最低限欲しい)

連結決算業務をマスターして、連結決算業務の取り纏めまでやりたいと思ったら日商簿記1級レベルの知識までは勉強したいです。

日商簿記1級は持分法を始めとして連結決算業務に必要な知識を体系的に学べるので、連結決算業務をマスターしたい人は学習をおすすめします。

現地と英語でやり取りできる最低限の英語力と、図などを用いて簡潔に現地に質問する工夫も必要となります。

但し、上場企業の経理の人材のレベル自体は高くありません。

なので、対処方法を実践して連結決算業務の取り纏めが出来れば、上場企業でも上位クラスの人材となります。

決算書の分析に役立つ本→【決算書の読み方】の勉強におすすめの本5冊【分かりやすい書籍を経理が厳選】

③経理のマネジメントの3つのコツを理解する

経理のマネジメントは下記の3つを意識すると劇的に変わります。

  • 常に仕訳と図を使用して説明する(なるべく文章を使わない)
  • 依頼する資料が最終的に何に使用するか説明する
  • 期限はスケジュールを作成して自分で管理する

経理のメンバー間は会計知識に差があるので、仕訳と図を多様して経理の初心者が分かるレベルの内容で説明するのが大事です。

当たり前と思っている経理知識を相手が理解していなくて、説明が上手く伝わっていないことはよくあります。

また、スケジュールは資料の提出期限と担当を作って、自分で管理することをおすすめします。

報告を待っているより、自分で進捗管理する方がイライラしません(笑)

マネジメントが学べるおすすめ本→【プレイングマネージャーにおすすめの本5選】係長にも読んで欲しい書籍を紹介

④調整業務の5つのコツを理解する

調整業務には5つのコツがあります。

  1. キーマン探し
  2. 会議は承認の場とすること
  3. 関連業務への理解
  4. 返報性の原理の活用
  5. 交渉力の向上

これらのスキルが身につくと、調整業務が上手くいきます。

調整業務が得意になれば、改正は怖くありません。

調整業務のコツの詳細→【調整業務が苦手】嫌いな調整業務を効率化するコツを5つ紹介

【メリット】上場企業の経理の魅力は3つ

上場企業の経理はしんどい仕事もありますが、基本的には働きやすく高年収を得られる職場です。

具体的なメリットは3つです。

  1. 上場企業の経理でしか経験できない経理業務を体験できる
  2. 上場企業はコンプライアンスを意識しているためにワークライフバランスを確保しやすい
  3. 上場企業の経理は平均年収(約600万円)が高く、キャリアアップすれば更に高年収を狙える

慣れるまでは大変に感じるかもしれませんが、業務になれた後は高年収でまったりと働けますよ。

経理で年収が低い時の対処方法→【経理は年収が低い?】給料が低い場合の改善策は1つだけ【現役経理が解説】

【無料相談可能】上場企業の経理への転職は転職エージェントに相談がおすすめ

上場企業の経理の仕事内容やキャリアプランなどを転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

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【参考】経理に向いているか科学的に調べてみる

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適職診断について→【自分の価値観の見つけ方】仕事の価値観診断で働きやすい会社も分かる

上場企業の経理がしんどい時の纏め

上場企業の経理はきつい仕事もありますが、総合的にはホワイトでやりがいがある仕事です。

きつい仕事も慣れて出来るようになれば、自分の武器となり市場価値が上がります。

きつい仕事のマスターにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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  • この記事を書いた人
星のおじさん

星のおじさん

【上場企業!IFRS!経理大好き!】【資格】税理士試験4科目合格(簿・財・法・消)TOEIC800点以上 【経歴】経理未経験→6年後に海外駐在(経営企画系統)【転職】20代:2回 【一言】税理士を目指したら海外で働くことになりました|会計の専門書マニアです(笑)

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