経理は業務範囲が広いので勉強をしようと思っても、何から勉強をすれば良いか迷いますよね。
私は未経験で経理に転職をして中小企業と上場企業の制度会計・管理会計・税務を中心に経験をしましたが現時点でも知らないことは沢山あります。
しかし、経理業務は全てを知らなくても活躍できるので、多くの企業の経理で求められる知識を紹介しますね。
この記事では、経理を勉強をしたい方に向けておすすめの本を紹介します。上場企業、中小企業の経理を担当していた時に使った本なので、実務に役立つ本ばかりですよ。
では、纏めていきます。
目次
【前提】経理に必読な本は中小企業(ベンチャー企業)と大企業(上場企業)で異なる
中小企業と上場企業の経理では読むべき本が異なります。
中小企業と大企業の業務のイメージは下記の通りです。
- 中小企業:広く浅く業務を担当
- 大企業:深く狭く業務を担当
中小企業では一つ一つの論点は複雑ではないですが、税務も含めて広範囲な知識を求められます。
大企業は一つ一つの論点が複雑ではありますが、自分の担当が明確なので税務担当ならば基本的に税務しか担当をしません。
なので、この記事では中小企業と大企業で読むべき経理の本を分けて紹介しますね。
また、上場企業は厳しい監査を受けるので経理知識だけでなく、交渉力や折衝力も必要不可欠となりますよ。
交渉力や折衝力が学べる本→【交渉力が身につくおすすめの本】折衝力を高めるのに役立つ書籍を紹介
【結論】経理が読むべき本の纏め

では、おすすめ書籍を4つにカテゴリーに分類をして紹介しますね。
まずはカテゴリーを紹介します。
- 経理入門編:経理になったら直ぐに読んで欲しい本
- 中小企業編:中小企業に勤務する経理におすすめな本
- 大企業は編:大企業に勤務する経理におすすめな本
- 出世編:CFOを目指す人におすすめな本
では、一つ一つ解説していきますね。
①経理入門編におすすめな3冊
経理入門編の本は経理に配属された直後の人を対象としています。
中小企業、大企業を問わず経理であれば必ず必要となる知識が詰まっていますので、知識に自信がなかったら読んでみて下さいね。
経理入門編で身につけるべき知識は下記の3点です。
- 経理に必要なExcelの知識
- 財務諸表の基本的な作り方
- 財務諸表の読み方
経理の実務はExcelで行うのでExcelが使えないと、知識があっても活躍ができないでまずはExcelから学びましょう。
また、経理のお金に関わる業務は財務諸表に関係するので、財務諸表の知識も早い段階で見つけることをおすすめします。
1:できるYouTuber式 Excel 現場の教科書
<内容>
本書も購入すれば、動画(YouTube)もみることができます。経理で実務経験がある著者が実際に使用して役立ったExcelを紹介しています。実務で使うものばかりなので、学んだ知識を即日仕事に活かすことができます。
<オススメポイント>
経理で実際に働いた筆者が記載している本なので、実務で求められているExcelの機能を集中的に解説しています。経理初心者のバイブル本と言っても過言ではない内容となっています。経理の現場で求められているExcelと使い方を一から学びたい経理初心者にはおすすめな本です。
その他のExcelの本→【経理で使うExcelが学べる本5選】エクセルで業務効率化を狙える書籍を紹介
「2:お金の流れ」がたった1つの図法でぜんぶわかる 会計の地図
<内容>
会計の重要な部分を抜粋して、図解で会計の全体像をイメージが理解できるように設計されています。初めて会計を学ぼうと思った方には、入門書として最適な一冊です。
<実際に読んでみて>
外国人と実務のやり取りをするときは、言語の壁から視覚に訴える図解を使うことが多いです。会計も同じで、会計初心者には文章よりも、図解で示すのが1番イメージが付きやすいです。この本は会計全体のイメージを掴むには最適です。
その他の経理初心者におすすめな本→【経理の初心者におすすめの本5選】始めての方が勉強になる書籍を現役経理が紹介
3:会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
<内容>
初心者でも分かりやすいように、図解を豊富に用いて解説しています。クイズ形式なので飽きずに読むことができ、読み終わった頃には決算書の基本は理解できるように設計されています。
<実際に読んでみて>
初心者でも短時間で簡単に理解できることをコンセプトに纏めてあります。実際に具体例を出しながらの解説はイメージが付きやすいので、文章だけの解説が苦手な方にもおすすめです。
決算書の読み方の勉強におすすめな本→【決算書の読み方】の勉強におすすめの本5冊【分かりやすい書籍を経理が厳選】
②中小企業編でおすすめ3冊
中小企業編の本は中小企業やベンチャー企業で経理を担当している人を対象としています。
中小企業やベンチャー企業は担当範囲が広いので日本の会計・税務について広範囲の知識を身につける必要があります。知識がないと問題点が理解できずに専門家に相談することする難しくなります。
中小企業編で身につけるべき知識は下記の3点です。
- 中小企業の業務の全体像の理解
- 資金繰りの知識
- 消費税法の知識
中小企業の経理において1番複雑なのは税法です。
特に消費税法は中小企業でも頻出の案件ですが処理を間違えると、多額の追徴課税を受けることがあるので基本を早期に抑えることをおすすめします。
1:オールカラー 一番わかる! 経理の教科書
<内容>
経理初心者が全体像を掴むために年間の実務で重要な部分にポイントを絞って解説しています。本書を読めば経理の仕事の全体像が理解できます。
<実際に読んでみて>
仕訳から始まり年次決算まで順を追って学べる構成になっています。経理実務の一通りの流れが知りたい方にはおすすめの本です。
その他の中小企業の全体像を把握に役立つ本→【中小企業の経理実務の勉強におすすめな本5冊】分かりやすい書籍を紹介
2:いまこそ再認識! 資金繰りとキャッシュフロー
<内容>
キャッシュフローの解説だけでなく、資金繰り表の具体的な作成方法も解説。中小企業の資金繰り・キャッシュフローは本書を読めば理解できます。
<実際に読んでみて>
実際の資金繰りの作成方法が記載されているのが分かりやすいです。中小企業でこれから資金繰りやキャッシュフローを担当する方にはおすすめな一冊です。
その他の資金繰りにおすすめな本→【資金繰りを学ぶのにおすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
3:図解 消費税法「超」入門〔令和3年度改正〕 (超入門)
<内容>
消費税の仕組みから経理処理まで、図表や計算例を交えて丁寧に解説しています。本書を読めば消費税法に関連する基本的な知識をマスターできますよ。
<実際に読んでみて>
税法初心者でも理解できるように、専門用語を嚙み砕いて解説しています。消費税法を何から勉強すべきか迷っている方の入門書としておすすめです。
その他の消費税法の本でおすすめ→【法人税法の勉強におすすめの本5選】初心者にも解説が分かりやすい書籍を紹介
③大企業編でおすすめ3冊
大企業編の本は上場企業や大手外資企業で経理を担当している人を対象としています。
大企業は担当は狭いですが、担当する業務については深い理解が求められます。しかし、担当以外の領域の経理知識が0だと経理の全体像が理解できないので、重要な業務については担当でなくても基本的な知識は勉強をお勧めします。
大企業編で身につけるべき知識は下記の3点です。
- 連結決算の知識
- 管理会計の知識
- 法人税の知識
大企業の経理においては、連結決算と管理会計の知識が必要不可欠となります。
大企業は社外の投資家向けに制度会計(連結決算)、社内の業績管理向けに管理会計と2つの指標から数値管理をしています。
なので、2つの数値の基本的な考え方や意味を理解しておくことをおすすめします。
1:図解 連結決算のしくみと読み方
<内容>
仕訳の知識がなくても連結決算を理解ができるように設計された本です。図解を中心に解説しているので、イメージで連結決算を捉えれます。
<実際に読んでみて>
仕訳の知識が0でも連結決算が理解できるとの売り込みに惹かれて、購入をしてみました。連結決算を一通り経験した後に読んだ感想は、内容は実務レベルではありません。しかし、連結経決算を全く知らない方が読む場合には、連結決算のイメージが掴めるのでおすすめです。
その他の連結決算のおすすめ本→【連結決算の実務の勉強におすすめな本5冊】連結会計の解説がわかりやすい書籍を紹介
2:「管理会計の基本」がすべてわかる本
<内容>
本書は企業研修やビジネススクールの人気講師である著者が執筆しています。基本を重点的に解説しており、本書を読めば管理会計の基本がマスターできます。
<実際に読んでみて>
図解や会話形式で記載されており初学者でも理解しやすいように設計されています。管理会計の基本を網羅的に学習したい方にはおすすめの一冊です。
その他の管理会計のおすすめ本→【管理会計の実務の勉強におすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
3:「別表四と五」 完全攻略本
<内容>
「法人税申告書」のしくみを理解するには、別表四、別表五の理解が必要不可欠とコンセプトで解説をしています。本書を読めば別表4と別表5の基本が理解できるようになりますよ。
<実際に読んでみて>
本書は図を多く用いて別表4と別表5を重点的に解説をしているので、初学者でも法人税法の基本が理解できます。別表4と別表5の基本をマスターしたい方にはおすすめ本です。
その他の法人税法の本でおすすめ→【法人税法の勉強におすすめの本5選】初心者にも解説が分かりやすい書籍を紹介
④出世編でおすすめ3冊
出世編の本は経理をコアキャリアとして将来CFOや子会社社長などに出世したい人を対象としています。
経理はキャリア戦略を考えて若いうちから行動をしていれば出世や高年収を狙える職種です。私は20代中盤で経理に転職をして、30代前半で年収は1000万円を超えているので未経験からでも高年収を狙えますよ。
出世編で身につけるべき知識は下記の3点です。
- CFOの役割
- 経営企画の役割
- 出世する人の考え方
経理の実務者で終わるか、CFOなど上位層に出世するかは経営者マインドを身につけることができるかの違いです。
実務者は基本的に数値を出して終了ですが、経営者は数値から将来の戦略を考える必要があります。
なので、出世するには算出した数値の【意味】を考えて仕事を進める必要がありますよ。
1:35歳までに身につけておくべき プロの経理力
<内容>
定型業務しかできない経理から、非定型業務がてきる経理になるために必要な行動を纏た本です。
<実際に読んでみて>
経理の基本的な行動理念が書かれた本です。35歳とは言わずに、20代には絶対に身に着けたい基礎的な経理の考え方が記載されています。キャリアアップするには、改善力・分析力・報告力・予測力は欠かせない力です。これらが欠けていては経理で市場価値が高い業務は任されて貰うことは難しいです。経理に必要な思考を身に着けた方にはおすすめな本です。
その他のCFOを目指す人におすすめな本→【CFOを目指す人におすすめな本5選】経理のキャリアが学べる書籍を紹介
2:いまこそ知りたいDX戦略 自社のコアを再定義し、デジタル化する
<内容>
シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリードした著者が執筆しています。DX導入の考え方を教えてくれる指南書です。
<実際に読んでみて>
DX推進は勤め先でも経営企画が先頭に立ちグループ全社で取り組んでおり、本書を読むことで現状の課題が整理出来ました。そもそもDXとは【何か】、DXで【何をしたいのか】を定義、共有することの大切さを再度認識させられました。DXなどIT関連の業務に取り組んでいる方にはおすすめの本です。
その他の経営企画の勉強に役立つ本→【経営企画の勉強におすすめの本5選】勉強方法に迷ったら読んで欲しい書籍を紹介
3:失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
<内容>
あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かして解説しています。本書を読めば失敗の構造を理解して再発の防止ができますよ。
<実際に読んでみて>
ミスを分析して再発防止するのは仕事の基本ですが、1番難しいことでもあります。失敗の事例を沢山取り上げていて面白いです。失敗を糧に成長したい方にはおすすめ本です。
その他の出世するのに役立つ本→【出世したい人におすすめの本】社内の役員と部長に役立つ書籍を聞いてみた
【参考】経理に向いているか科学的に調べてみる
経理に向いているか気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて適職を診断してくれるプログラムがあります。
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具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。

適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
適職診断については下記の記事でも纏めていますので良かったら見てくださいね。
【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
経理に必読な本の纏め
経理は広範囲な知識が必要とされるので、何から勉強をすればよいか迷ってしまいますよね。
重要とされる知識に絞って勉強をすれば、効率的に知識をマスターすることができますよ。
経理は知識があることが強みの1つとなりますので、頑張って勉強をしていきましょう。
効率的な勉強方法を探している方におすすめな本があります。様々な観点から100の効率的な勉強方法を紹介しているので、自分にピッタリな勉強方法を見つけることができます。真似できる箇所から実践して自分のオリジナル勉強方法を編み出してみませんか。気になる方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
Amazonの本が無料で読めるサービスは下記の記事で纏めていますので良かったら見て下さいね。
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勉強方法のヒントにおすすめな本→【社会人が勉強のやる気UPに繋がる本5選】勉強方法を工夫してモチベーションを上げよう