IFRSは日本基準と異なる箇所もあるので、IFRSに携わっている方は苦労しているのではないでしょうか。
実際に私も上場企業の経理でIFRSの実務を経験しましたが、日本基準との差異を理解するのに時間がかかりました。
しかし、IFRSも日本基準と同じく体系的に勉強すれば、実務でも基礎的な部分は理解できるようになりますよ。
この記事では、IFRSについて学びたい方向けに、IFRSの初学者でも分かりやすい書籍を紹介します。実際に私が実務の勉強で使用した本なので、上場企業の経理の実務に役立ちますよ。
では、纏めていきます。
【前提】IFRSの理解には日本基準の基礎的な理解が必要
IFRSの勉強をするには、日本基準の知識があると役立ちます。
何故ならIFRSの解説書の多くは、日本基準との相違点でIFRSを解説するため、日本基準の基礎的な知識が必要不可欠となるからです。
簿記2級レベルの知識があれば、IFRSの解説書籍は問題なく読めますよ。
もし、簿記の知識が全くない場合には、日本基準の概略が分かる書籍を先に購入することをおすすめします。
財務諸表を理解できる本→【決算書の読み方】が学べるおすすめの本5冊【分かりやすい書籍を経理が激選】
また、簿記の知識は将来に役立つので、簿記3級も合わせて勉強してみてはいかがでしょうか。
<おすすめのテキスト>
【おすすめ】IFRSの解説が分かりやすい書籍5選
では、早速ですがおすすめ書籍を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介します。
- 【初学者向け】新・IFRSのしくみ (すらすら図解)
- IFRS財務諸表の読み方ガイドブック
- 表解IFRS・日本・米国基準の徹底比較
- IFRS会計学基本テキスト(第6版)
- 詳細解説 IFRS実務適用ガイドブック(第2版)
では、一つ一つ解説していきますね。
【初学者向け】新・IFRSのしくみ (すらすら図解)
<内容>
あずさ監査法人が発行したもので、図解を用いてIFRSの初学者にも分かりやすく記載されています。IFRSの入門書と言っても過言ではありません。
<実際に読んでみて>
IFRSの全体像を理解するには最適な書籍です。まずはIFRSとは何かを広く浅く学びたいと考えている方にはおすすめできる一冊です。日本基準との差異にも触れており、日本基準の実務経験が長い方にもおすすめです。
【初学者向け】IFRS財務諸表の読み方ガイドブック
<内容>
IFRSを採用している企業の開示例を基にIFRSの財務諸表を解説しています。本書をマスターすることでIFRSの財務諸表は読めるようになりますよ。
<実際に読んでみて>
IFRSの財務諸表の読み方の解説がメインです。IFRSは日本基準とは異なる財務諸表の表示方法なので、IFRSを学ぶにはまずは財務諸表から理解する必要があります。本書はIFRSと日本基準の財務諸表の差異も解説しているので、財務諸表の読み方から学びたい方にはおすすめです。
【経理実務者向け】表解IFRS・日本・米国基準の徹底比較
<内容>
トーマツ監査法人が発行しており、各会計基準ごとの差異にフォーカスして分析をしています。
<実際に読んでみて>
グローバル企業で米国基準・IFRS・日本基準を比較する必要があるときに便利な一冊です。各会計論点ごとの差異が明確となっているので、会計処理の違いが一瞬で分かります。実務で各会計基準ごとの差異を明確にする必要がある方にはおすすめです。
【経理実務者向け】IFRS会計学基本テキスト(第6版)
<内容>
IFRSを初めて学ぶ人向けに設例を交えながら、実務で必要な基礎的な知識を解説。この一冊をマスターすれば、IFRSの実務の大部分は理解できますよ。
<実際に読んでみて>
IFRSを本で本格的に勉強するならば、おすすめの一冊です。実務で必要となる知識が体系的に学べる良書です。設例が付いているので、自分が実際に理解していることを確認しながら読み進められるのが嬉しいです。IFRSの実務者にはおすすめの一冊です。
【上級者向け】詳細解説 IFRS実務適用ガイドブック(第2版)
<内容>
基準ごとに日本基準の差異部分や開示例が記載されているので実務に役立ちます。IFRSに関して実務で必要な情報は、9割方カバーされていますよ。
<実際に読んでみて>
IFRSの実務で遭遇する問題を解決するために役立つ一冊です。但し、IFRSについて基本的な知識がないと読むのが難しいので、基礎的な本を読んだ後に活用することをおすすめします。私は本書を手元において連結決算の実務は行っていました。IFRS実務で困ったときに、参照する一冊としてはおすすめです。
【参考】IFRSはIFRS検定でも勉強できる

IFRSを学ぶならば、本だけでなく検定で勉強をする選択肢もありますよ。
IFRS検定はIFRSの知識の定着に最適な検定なので、IFRSの本と並行して受験してみてはいかがでしょうか。
IFRS検定のおすすめポイント3つ
- 日本語で国際会計基準が学べる
- IFRSの知識を保有している証明になる
- 合格率は50%超なので国際会計初心者でも取り組みやすい
※試験制度の詳細→IFRS検定公式HP
IFRSとは何かを学ぶ入門の試験としては最適です。
IFRS会計学基本テキスト(第6版)の設例を解けるレベルになれば合格できますよ。
簿記以外で役立つ資格→【経理の資格で簿記以外のおすすめ4つ】キャリアタイプ別に現役経理が解説
IFRSを学ぶのにおすすめな本の纏め
IFRSは馴染みがないので、最初は難しいと感じるかもしれません。
しかし、日本基準と共通することも多いので、異なる点だけ理解すれば、直ぐにマスターできますよ。
IFRSの実務を理解すれば経理としての需要も高まるので、IFRSの勉強はおすすめですよ。
一番のおすすめは、IFRS会計学基本テキスト(第6版)です。本書はIFRSの初学者から、IFRSの実務で使う知識まで網羅されているので、IFRSを担当する全ての方に自信をもっておすすめできます。