管理会計は、会社の各事業部の業績の分析に役立つ情報を提供することを目的としています。
管理会計を導入するかは会社の任意ですが、大企業をはじめとして多くの企業で管理会計が採用されています。
管理会計を学ぶことは、会社の業績を分析する上で必須な知識なので、経理だけでなく全てのビジネスマンに役立ちます。
この記事では、管理会計を学ぶためにおすすめな本を紹介します。実際に私が経理の実務で参照していたものなので、管理会計を学ぶ本を探している方のお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】管理会計(FP&A)とは何か【制度会計と比較して考える】
まずは本を読む前に、管理会計の前提を抑えておきましょう。
前提があった上で本を読むと、理解が早いですよ。
<管理会計と制度会計の比較>
項目 | 管理会計 | 制度会計 |
報告対象 | 経営層 | 投資家(利害関係者) |
作成義務 | 義務なし | 開示義務あり |
計算方法 | 企業の任意 | 基準で決められている |
監査 | 監査なし | 監査あり |
目的 | 利益改善(業績評価) | 利害関係者への情報提供 |
管理会計の大きな特徴は、社内で業績改善をするために必要な情報を提供することです。
なので、管理会計の考え方の基本は同じでも、具体的な計算方法は会社によって異なります。
社内は制度会計ではなく管理会計で業績管理をするので、管理会計の知識は抑えておくと数値に強くなれます。
制度会計を学ぶのにおすすめ本→【決算書の読み方】の勉強におすすめの本5冊【分かりやすい書籍を経理が激選】
原価計算と管理会計は密接な関係にある
メーカーにお勤めの方は原価計算と管理会計の関係性も気になりますよね。
原価計算は製品を作るコストを算出する目的で計算されます。
管理会計は原価計算で算出する数値を基に分析することが多いので、管理会計と原価計算は密接な関係がありますよ。
例えば、原価計算で算出された実際の数値を予算と比較して、差異の原因を分析するのも管理会計の役割の一つです。
なので、管理会計は原価計算の知識(簿記1級レベル)があると、理解が促進されますよ。
<簿記1級の独学でおすすめなテキスト>
経理で年収UPする方法→【経理は年収が低い?】給料が低い場合の改善策は1つだけ【現役経理が解説】
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
また、キャリアに関する質問にも回答させていただきますよ。
ココナラで体験談をもとにキャリア相談を承っていますので良かったらご利用ください。→経理のキャリアアップ 経理の転職相談を承ります
【おすすめ】管理会計(FP&A)の解説が分かりやすい書籍5選
では、早速ですがおすすめ書籍を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介します。
- 「管理会計の基本」がすべてわかる本 第2版
- 決定版 ほんとうにわかる管理会計&戦略会計
- 基本も実務知識もこれ1冊で! 管理会計 本格入門
- 今から始める・見直す 管理会計の仕組みと実務がわかる本
- 管理会計〔第七版〕
では、一つ一つ解説していきますね。
【初学者向け】「管理会計の基本」がすべてわかる本
<内容>
本書は企業研修やビジネススクールの人気講師である著者が執筆しています。基本を重点的に解説しており、本書を読めば管理会計の基本がマスターできます。
<実際に読んでみて>
図解や会話形式で記載されており初学者でも理解しやすいように設計されています。管理会計の基本を網羅的に学習したい方にはおすすめの一冊です。
【初学者向け】決定版 ほんとうにわかる管理会計&戦略会計
<内容>
管理会計と密接に関係がある、原価計算を手厚く解説しています。本書を読めば管理会計に必須な原価計算の基礎が学べます。
<実際に読んでみて>
初学者向けですが、制度会計など会計の基本事項は理解した上で読むことをおすすめします。原価計算を手厚く解説しているので、製造業で働いている方にはおすすめです。
原価計算を学ぶのにおすすめな本→【原価計算の勉強におすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
【実務者向け】基本も実務知識もこれ1冊で! 管理会計 本格入門
<内容>
管理会計を学問的な視点ではなく、実務でどのように活かすかを中心に記載している本です。本書を読めば管理会計を実務で使えるよになりますよ。
<実際に読んでみて>
演習問題がついているので、自分の理解度を確認できるのが嬉しいです。内容も管理会計を実務でどのように活かすかを記載しているので、読み応えがありますよ。実務で管理会計の知識を活かしたい方におすすめな本です。
【実務者向け】今から始める・見直す 管理会計の仕組みと実務がわかる本
<内容>
一般企業で十数年勤務した著書が、実務経験を基に記載した本です。管理会計の実務で悩むポイントを解説しているので実務者にはおすすめの一冊です。
<実際に読んでみて>
管理会計の知識だけではなく、管理会計の実務担当者のコミュニケーション術まで記載されているのが素晴らしいです。経理実務担当者が読むにはおすすめした本です。
【上級者向け】管理会計〔第七版〕
<内容>
管理会計のロングセラー本です。管理会計の手法を理論と実務の観点からバランスよく記載されています。管理会計を体系的に学べる本です。
<実際に読んでみて>
管理会計のバイブル本と言われる本です。管理会計について必要な知識が網羅されているので、本書が理解できれば管理会計の担当者としても知識レベルは十分です。管理会計を本格的に学びたい方にはおすすめです。
【参考】管理会計検定を勉強するのもおすすめ
管理会計のみを学べる管理会計検定という試験があります。公式HP→ JEIMA(日本管理会計教育協)
本を読んで基本をインプットをした後に、管理会計の知識をアウトプットする場として管理会計検定を利用してみてはいかがでしょうか。
管理会計検定の2級は合格率が80%、1級は合格率が30%前後なので、まずは2級から合格を目指してみてはいかがでしょうか。
公式テキストを利用すれば、効率的に合格できますよ。
<管理会計検定試験 公式テキスト>
管理会計学ぶのにおすすめな本の纏め
管理会計は近年注目されている分野です。
企業が意思決定する上で管理会計からの情報は欠かせません。
管理会計をマスターしている人材は貴重なので、マスターすれば市場価値が高い人材になれますよ。
一番のおすすめは、基本も実務知識もこれ1冊で! 管理会計 本格入門です。本書は管理会計の実務で使える基礎的な知識が網羅されているので、手元に置いておくと役立ちますよ。 気になった方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
本が無料で読めるAmazonのサービスは下記の記事で纏めていますので良かったら見て下さいね。
【30日間は本を無料で読める】Amazonの電子書籍サービス3つを比較