原価計算は製品の製造に掛かったコスト(例:材料・労務費など)を計算することをいいます。
製造業は、売上に対して占める製品の原価の割合を把握して改善することが、安定的に利益を出すために重要となります。
なので、原価計算の考え方は、製造業では経理は勿論、他部門でも管理職や出世を目指したい方には必須の知識と言えます。
この記事では、原価計算を学ぶためにおすすめな本を紹介します。実際に私が経理の実務で参照していたものなので、原価計算を学ぶのに役立ちますよ。
では、纏めていきます。
【前提】原価計算の重要性【原価計算は何故必要か】
最初に原価計算が何故必要かを考えてみましょう。
原価計算は大きく分けて2つの観点から、会社で必要となります。
- 制度会計:製造原価報告書の作成に原価計算が必要
- 管理会計:原価計算を基に分析を実施することが多い
原価計算は会社ごとに計算方法が異なりますので、企業間の業績を比較するには適していません。
なので、制度会計の製造原価報告書は投資家向けの情報としては重要度が下がっており免除規定(製造原価明細書の開示免除)により開示していない企業が多いです。
管理会計は、会社の各事業部の業績の分析に役立つ情報を提供することを目的としているため、原価を分析できる原価計算は重要視されています。
例えば、原価計算を行うことで、コストが予定よりも高い場合に、原因(例:材料費が上がった)を探すことができます。
原価計算と管理会計のスキルは市場価値が高いので、マスターすれば市場価値が高い人材になれますよ。
経理で年収UPする方法→【経理は年収が低い?】給料が低い場合の改善策は1つだけ【現役経理が解説】
管理会計おすすめの本→【管理会計を学ぶのにおすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
【おすすめ】管理会計の解説が分かりやすい書籍5選
では、早速ですがおすすめ書籍を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介します。
- 楽しくわかる! 原価計算入門
- 図解入門ビジネス 最新原価計算の基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]
- 図解ポケット 今日から使える! 原価計算がよくわかる本
- プロ直伝! 必ずわかる原価計算のしくみと実務
- 図解&設例 原価計算の本質と実務がわかる本
では、一つ一つ解説していきますね。
【初学者向け】楽しくわかる! 原価計算入門
<内容>
ケーキ屋さんを例にしたストーリー形式で原価計算を解説しています。本書を読めば原価計算の楽しさを理解できます。
<実際に読んでみて>
原価計算を、数値が苦手な方でも理解できるように平易な言葉で記載されています。内容は簿記1級レベルも含まれているので簡単とは言えないですが読みやすい本です。原価計算に苦手意識を感じている方にはおすすめの本です。
【図解・初学者向け】図解入門ビジネス 最新原価計算の基本と仕組みがよ~くわかる本
<内容>
図解と具体例を用いて原価計算を説明しています。本書を読めば原価計算の全体像を捉えることができます。
<実際に読んでみて>
原価計算を図解で説明することをコンセプトに作成しているので、難解な公式を使わないで説明しています。まずは、原価計算の全体像を図解でイメージしたい方におすすめです。
【図解・初学者向け】図解ポケット 今日から使える! 原価計算がよくわかる本
<内容>
図解で原価計算を説明しており、ざっくりと原価計算の基本を解説しています。最低限度の原価計算の知識を学べる本です。
<実際に読んでみて>
図解入門ビジネス 最新原価計算の基本と仕組みがよ~くわかる本とコンセプトが似ています。内容は本書の方が少し優しいです。経理以外で原価計算を知りたい方は、本書を読めば原価計算の概要は理解できますよ。
【実務者向け】プロ直伝! 必ずわかる原価計算のしくみと実務
<内容>
原価計算の目的を主眼に解説した本です。本書を読めば原価計算の計算方法だけでなく、原価計算が何故必要かが理解できます。
<実際に読んでみて>
原価計算の計算方法だけでなく、計算結果の活かし方が書いてあるのが良いです。マネジメント層が意思決定をするために欲しい情報は何かが分かる本です。原価計算の活用方法を知りたい方におすすめな本です。
【実務者向け】図解&設例 原価計算の本質と実務がわかる本
<内容>
公認会計士が実務経験を基に原価計算が実務でどのように使われているかを解説しています。本書を読めば一般論の原価計算でなく、実務的な原価計算が身につきます。
<実際に読んでみて>
設例が豊富に記載されているので、理解度合いを確認しながら読めるのが嬉しいです。一つ一つの計算に何故その計算が必要かの説明が記載されているので、本質の理解に繋がります。経理の実務担当者は手元に一冊保有しておくと安心感がありますよ。
【参考】原価計算は日商簿記を勉強するのもおすすめ

原価計算を学ぶならば、本だけでなく検定で勉強をする選択肢もあります。
簿記2級で原価計算の基礎、簿記1級で管理会計の実務で重要な部分(CVP)は理解できますよ。まずは、簿記2級から勉強してみてはいかがでしょうか。
簿記のおすすめポイント3つ
- 転職で年収UPに繋がる
- 問題を解くことにより知識が定着する
- 簿記2級は絶対評価の試験なので合格しやすい
<簿記2級の独学でおすすめなテキスト>
簿記2級の有用性→【簿記2級は意味がない?】経理の実務を踏まえて本音を回答します
原価計算を学ぶのにおすすめな本の纏め
原価計算は管理会計を理解するために欠かせない分野です。
原価計算を理解するれば、管理会計の半分は理解したと言っても過言ではありません。
原価計算をマスターしている人材は製造業で高く評価されるので、出世や転職をしたい方は勉強してみてはいかがでしょうか。
一番のおすすめは図解ポケット 今日から使える! 原価計算がよくわかる本です。本書は原価計算に必要最低限度の知識に絞って解説をしてるので、原価計算の重要な部分を短期間で学べますよ。 気になった方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
本が無料で読めるAmazonのサービスは下記の記事で纏めていますので良かったら見て下さいね。
【30日間は本を無料で読める】Amazonの電子書籍サービス3つを比較