税理士試験に本気で合格するには、1科目年間1000時間程度の勉強が必要となってきます。
人生において大量の時間を消費して税理士試験の勉強を続けることが、本当に自分自身にとって大事かどうか考えることは絶対に必要なことだと思っています。
なので諦めるタイミングを自分自身が定めて、撤退をすることは人生全体においては英断となることもあります。
この記事では、税理士試験の勉強を継続するか迷っている方に向けて、断念する基準の具体例を解説しています。私が過去に自分自身で真剣に悩んで考えたことなので、実際に本気で試験勉強をした方の気持ちも分かります。同じ悩みを持っている方のヒお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】税理士試験は諦めるタイミングが難しい
公認会計士や弁護士は科目合格という概念がなく、一発合格の勝負になります。
しかし、税理士試験は科目合格制度を取っており、合格をした科目は永遠に失われません。
税理士試験は1科目の合格率が10~20%前後の相対試験であり、かつ5科目合格する必要があるので、受験期間が長期化するのが特徴です。1科目合格すると永久にその科目合格の効力は失効しないため、税理士試験を諦めるタイミングが難しいです。
なので、諦めるタイミングを自分の中で決めて、気持ちを切り替えて次の選択肢を考えるもの時には有効です。
【参考】税理士試験は1度断念しても再度スタートが可能
税理士試験を一旦中断しても、科目合格は永久に効力を有します。
職場環境を整えたり、心身ともにリフレッシュしてみて、税理士試験に前向きに取り組む気持ちになったら再度勉強を開始するのも良いと思います。
長期間休息を取ることで勉強への意識が変わり、効率的に勉強ができるようになることもありますよ。
モチベーションが低い状態で無理矢理勉強を継続するよりも、1年間税理士試験から離れて真剣に税理士になりたいか考えるのもおすすめのです。
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経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
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【結論】税理士試験を諦める目安のタイミング4つ
では、早速ですが税理士試験を諦める目安のタイミングを紹介します。
まずは、箇条書きで記載していきますね。
- 簿記論・財務諸表論どちらも2年連続不合格だった場合
- 税法科目に3年連続不合格だった場合
- 年間で勉強できる時間が800時間を下回る場合
- 精神的に税理士試験の受験に集中できない状態である場合
では、一つ一つ解説していきますね。
① 簿記論・財務諸表論どちらも2年連続不合格だった場合
税理士試験の会計科目である簿記論と財務諸表論は、科目の中で間違いなく1番受かりやすいです。
会計科目は税理士試験の初学者が受けるので、受験生のレベルが低いです。それに対して、税法科目は会計科目の合格者が母体となりますので、受験生のレベルが高いです。
相対試験で上位10~20%前後に入る必要がある税理士試験においては、受験生のレベルが受かりやすさに直結します。
なので、真剣に勉強しても2年連続で簿記論と財務諸表論のどちらにも合格できなかった場合には、税理士試験の断念を1度検討してみることをおすすめします。
税法科目は会計科目より確実に受かりにくいので、会計科目に苦戦すると税理士試験の受験が長期化する可能性が高いです。
簿記論と財務諸表論の勉強方法→【簿財】を働きながら合格するコツ5つ【難易度は簿記1級と同じ】
【体験談】私が簿記論・財務諸表論の合格に要した期間
私は社会人で働きながら簿記論・財務諸表論を同時に受験しました。
勉強期間は1年間、時間は1200H程度で、両方とも合格しました。
予備校が発表する回答を基にした自己採点の結果を振り返ると、合格するかはギリギリの点数でしたが、運よく滑り込みました。
私は天才ではなく凡人なので予備校に従い基本的にコツコツと勉強して暗記していくタイプです。なので、真面目に予備校の指示通りに勉強すれば、合格レベルには誰でも達することができます。
2年連続で簿記論・財務諸表論を両方とも落ちた場合には、貴方は簿記が苦手なのかもしれません。
向き不向きは人間必ずあるので、他の資格に挑戦することも検討してみてはいかがでしょうか。
② 税法科目に3年連続不合格だった場合
税理士試験の税法科目には、理論の本を一冊丸暗記するという苦行があります。
暗記の量は税法科目によって異なりますが、200Pぐらいを、ほぼ丸暗記するイメージです。
理論の丸暗記は税法科目に合格する必要最低条件となります。
また、税法科目の丸暗記は、暗記の精度も高レベルで求めれるので、暗記が苦手な方には辛いです。
税法科目を1度でも受かっていれば理論暗記のコツや税法のレベルの高さが把握できるので、どこまで勉強すれば合格できるか理解できます。しかし、合格の経験がないと合格レベルが分からないので、終わりが見えずに勉強が非常に辛いです。
税法科目を1度も合格できないまま3年間が経過した場合には、理論の暗記が向いていない可能性があります。
同じ方法で勉強を続けても合格する可能性は低いので、受験するかを含めて1度立ち止まって、考えることをおすすめします。
税理士試験の法人税の勉強方法→【税理士試験の法人税の勉強方法】10個のコツで合格できる【合格体験談】
税理士試験の消費税法の勉強方法→【税理士試験の消費税法の勉強方法】9個のコツで合格できる【合格体験記】
【体験談】おすすめの理論暗記方法
私は下記の方法で理論暗記を進めていました。
- 1回目:スラスラと意味が理解できるまで理論マスターを読み込む
- 2回目:理論マスターを暗記→1週間で全ての理論が周るようにスケジュールする
- 3回目:文章の本文を丸ごと暗記する→文章はボイスレコーダーに録音して正しく言えているか確認する
文章を丸ごと暗記するときはボイスレコーダーに録音することをおすすめします。自分が言っていることが間違えないかを客観的に確認しないと、間違えて覚えている可能性があります。
また定期的にボイスレコーダーに録音することで、緊張感をもって理論暗記に取り組めますよ。
<勉強用のおすすめボイスレコーダー>
③ 年間で勉強できる時間が800時間を下回る場合
税理士試験に本気で合格すると考えた場合には、800~1000H程度は勉強できる時間を確保したいです。
法人税法や所得税法はボリュームが多いので、1200~1400H程度必要となります。
社会人は働きながらの勉強となるので、残業や休日出勤が続くと勉強時間の確保そのものがむずかしくなります。
勉強時間の確保が難しい場合には、何回受けても勉強の絶対量が不足するので、合格することは難しいです。
まずは、税理士試験を目指すよりもできる環境を作ることを目指したいです。
一般企業の経理は残業も少なく、定時で帰れる環境という会社が多いので、税理士試験の受験生に優しい環境です。
実際に私も税理士試験の法人税法は、一般企業の経理で働きながら合格しました。
税理士を目指すなら一般企業の経理に転職がおすすめな5つの理由【科目合格者は有利】
税理士科目合格者の転職には特化型の転職エージェントがおすすめ
特化型転職エージェントとは、特定の分野や業界に強い(特化している)転職エージェントとなります。
例えば、管理部門に強いなどの特徴が挙げられます。
特化型転職エージェントは、特定の職種の業務内容や特定の業務分野に精通しているので、貴方の職種やキャリアを十分に理解した上で求人を紹介してくれます。そのため、転職の成功率や満足度が高いと言えます。
特化型転職エージェントは、特定の分野しか扱わないため求人数は少ないです。
そのため、特化型転職エージェントは他のエージェントと併用して利用することがおすすめです。
具体例を上げるとイメージが湧きやすいので、管理部門に強い特化型転職エージェントを紹介します。
MS-Japanは管理部門に特化しており、特に経理部門への転職ノウハウを持っています。経理の転職活動に必須な転職エージェントです。
エージェント種類 | オススメなポイント |
MS-Japan | 「管理部門特化型エージェントNo.1」として多くの実績と評価あり。 経理の知見があるキャリアアドバイザーが付くため、経理の転職には強い。 |
MS-Japanの利用のみだと、非公開求人が少ないので、併せて非公開求人の保有数が多いリクルートエージェント と DODA を利用することをおすすめします。
経理に強い転職エージェント→【経理に強い転職エージェントのおすすめ】未経験者と経験者別に紹介
④ 精神的に税理士試験の受験に集中できない状態である場合
税理士試験の勉強をする場合には集中力の維持が欠かせません。
しかし、人間は税理士試験の勉強以外に大きな悩み事がある場合には、その悩みを解決した後でないと勉強に集中できません。
例えば、職場の人間関係・恋愛関係・家庭関係などに大きな悩みがあると、勉強中もそのことが気になります。特に理論暗記しているときは、悩み事のせいで暗記へ集中できないため暗記のスピードが著しく低下します。
なので、税理士試験を目指すよりも自分の悩みを解決することを優先することをおすすめします。
【体験談】社会人が恋愛しながら勉強は可能か
私も友人も恋人がいる時代でも税理士試験の科目合格ができたので、恋人がいても工夫すれば税理士試験の科目合格は可能です。
私は会う頻度は週数回夕食を一緒に取ることが中心で、旅行や遠出など一日遊ぶ時間は中々取れなかった覚えがあります。会えないときは、小まめにLINEなどで連絡を取るなどして、コミュニケーションは取っていました。
一緒に勉強するなどは一切していませんでしたので、ONとOFFはしっかりと分けていました。
注意した点は、喧嘩をしないようにコミュニケーションをしっかりと取っていたことですね。
喧嘩をすると勉強に集中できなくなるので・・・
ちょっと20代のことを振り返るのは恥ずかしいですが、何かの参考になればと思って書いてみました。
【参考】税理士試験で人生が狂った友人【体験談】
私は税理士試験を10年間近く働きながら予備校で学んで来ました。
10年も通うと良くも悪くも様々なバックグラウンドを持った人と出会うことになります。
その中で1番印象的だった友人のエピソードを紹介します。
友人の税理士試験開始時点のスペック
- 学歴:偏差値60以上の大卒
- 年齢:30代前半
- 職種:大手の営業職(年収800万円)
税理士試験を目指すために簿記論と財務諸表論を合格した後に、税理事務所に転職した後に税法科目に5年程度受からずに税理士を諦めて一般企業の経理に転職(年収500万円)しました。
本人曰く年収が下がったことよりも大切な30代を勉強に捧げて結果を出せなかったことを今でも後悔しているそうです。
税理士試験は勉強している間は麻薬みたいなもので夢を見続けられるが、夢から醒めたときの現実をしっかり考えておくべきなのは同感です。
実際に20代後半、30代前半は人生で重要な時期なので、税理士試験だけでなく最低限職歴も考えて行動することをおすすめします。
ハローワークは無料知名度が低い転職エージェントやサイトはお試し料金で使用料金が低いことが多いです。
選考の通過率や求人の分析は転職エージェントを利用すれば、楽にできるので特に拘りがなければ転職エージェントを利用することをおすすめします。
未経験者におすすめな転職エージェント
私が営業から経理に未経験で転職をしたときは、下記の5社を中心に転職活動を進めていました。迷ったら最大手であるリクルートエージェントに登録しておけば間違いはありません。
エージェント種類 | オススメなポイント | 体験談 |
リクルートエージェント | リクルートエージェントは求人数No.1 非公開求人の紹介、転職市場の動向、過去の事例などを考慮し、非公開求人も含めた多数の求人の中から最適な求人を紹介します。 | 【リクルートエージェントの特徴】体験談と評判からメリットとデメリットを解説します |
doda | dodaが取り扱っている求人のうち、80%以上がサイト上には公開されていない非公開求人です。 自分では見つけられなかった求人もエージェントサービスに登録することで見つけることができます。 | 【dodaの特徴】体験談と評判からメリットとデメリットを解説します |
マイナビエージェント | マイナビエージェントでは、各企業の人事担当者と直接会って、求人票だけでは分からない詳細な情報を入手しています。 できるだけその企業や業界について深く理解した上で、応募先企業を決めることができるので安心です。 | 【マイナビエージェントの特徴】体験談と評判からメリットとデメリットを解説します |
パソナキャリア | はじめての転職ならではの不安や疑問を解消できるよう、転職活動のやり方や自己PRの仕方など、丁寧にサポートします。 創業40周年を迎えるパソナグループでは、創業時から女性の就労支援をおこなってきたノウハウを基にした女性への転職支援が得意。 | 【パソナキャリアの特徴】体験談と評判からメリットとデメリットを解説 |
マイナビジョブ20's | 人材サービスを幅広く扱うマイナビの中でも、20代を専門としているのは『マイナビジョブ20's』のみです。 マイナビの情報網を活かしつつも、20代という若年層に特化しているからこその強みがあります。 通常の転職サイトでは掲載されていないような"非公開求人"が80〜90%を占めています。 | ※マイナビエージェントの体験談を参照 |
【参考】税理士試験の受験サポートでモチベーション維持
税理士試験は1つの科目を合格するのに1年近く掛かります。
1人でコツコツと勉強しながらモチベーションを維持するのは難しいです。また、予備校は問題の解き方は教えてくれますが、個別の学習のスケジュール管理はしてくれません。
難易度が高い資格は長期の学習スケジュール管理が大切なので、会計系統の資格を専門としたプロがサポートを受ければ学習の継続が容易となります。
英語学習では、学習を継続するためにコーチングを受けるのが主流であり、難易度が高い専門資格も同じようにコーチングを受けることをおすすめします。
会計系統のおすすめコーチングサービスを紹介します。
では、一つ一つ解説していきますね。
【Quel株式会社】Quel(クエル)コーチング
Quel株式会社は、効率的かつ継続的な学習を通して会計系統の資格の合格を目指したい方のためのオンラインコーチングサービスです。
Quel株式会社を利用するメリットは下記の通りです。
- 厳しい書類選考を通過した合格者がサポート
- 合格者が貴方だけの学習プランを作成
- アプリで勉強の進捗状況を簡単に管理
- 合格者に質問を何度でもできる
- 返金保証が付き(初回の相談は無料→無料相談)
独学の場合だけでなく、予備校と並行して利用する場合でも予備校が弱い部分(学習の進捗管理)に大いに役立ちます。
コーチングの手法が初めてでサービス内容に疑問をお持ちの方は、無料相談で疑問点を聞いてみてはいかがでしょうか。
【ココナラ】合格者による税理士試験の受験サポートを開始しました
税理士試験の試験までの基本的なスケジュール、勉強方法、受験相談の悩みをココナラでご回答をします。
税理士試験は勉強方法を誤ると、合格まで長期間かかります。正しい勉強手順、勉強方法で、知識を積み上げていけるように、徹底サポートいたします。 税理士試験、英語を働きながら10年間勉強をしてきたので勉強方法のノウハウやスケジュール管理のコツでお役に立てると思います。
※合格科目は簿記論・財務諸表論・消費税法・法人税法です。残り1科目は海外駐在となったので一次中断中です。
また、学生時代は家庭教師の経験もあるので勉強のサポートが得意となります。
【参考】自分の適職を科学的に調べてみる
自分の強みや適職が気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
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コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
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具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
税理士試験を諦める基準の纏め
税理士試験の勉強は長期間に渡るため、人生に与える影響が大きいです。
勉強を続けることに疑問を持ちながら勉強しても、モチベーションが保てません。
税理士試験を断念する基準を設けて、税理士試験そのものを続けるかゆっくりと考える時間を作るのも大事なことです。
最後になりますが、税理士試験の勉強を目指す方を心から応援しています。
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