税理士試験の簿記論と財務諸表論は税理士になるための必須科目なので多くの受験生が最初に受験します。
私も初めて受験した科目は税理士試験の簿記論と財務諸表論でしたが、勉強のコツを掴むまでは成績が中々伸びませんでした。
しかし、コツを掴んでからは順調に成績が伸び、働きながら簿財の2科目に1回で合格することができました。
この記事では、簿財を働きながら合格できるか知りたい方に向けて、働きながらでも合格するコツを紹介します。実際に働きながら簿財の両方に合格をしたのでお役に立てると思います。
では、纏めていきますね。
【大前提】税理士試験の簿財の合格に必要な勉強時間を把握する
まずは合格するために必要な勉強時間を把握することが大切です。
合格レベルに達するまでの目安の時間が分からなければ、勉強計画を立案できません。
友人と私の予備校の模試の成績と勉強時間を参考にした合格確率は、下記のラインになります。
- 勉強時間800H未満 :合格確率0%~10%
- 勉強時間800H~1000H:合格確率10%~30%
- 勉強時間1000H~1200H:合格確率30%~50%
- 勉強時間1200H~1400H:合格確率50%~70%
- 勉強時間1400H~1600H:合格確率70%~100%
私と友人は1200H~1600H 程度で合格しました。
予備校には本番環境を想定した模試があります。そして、模試の得点により上位何%と表示されますので、模試時点の大まかな合格確率が分かります。
私と友人は簿記論は約500H、財務諸表論は約500Hを超えたあたりからは両科目とも上位20%を下回ることはほとんどなかったので、勉強時間1000Hが簿財の勉強を網羅できるラインとなります。
合格確実を目指したい方は勉強時間1200Hを目安とすると良いかと思います。
私は簿記論と財務諸表論を同時に受験して1200Hで簿財の両方に合格でした。
財務諸表論の計算は簿記論で8割程度は学習できるので、理論と計算の表示方法を中心に500H程度の勉強時間でした。簿記論を同時に学習していなければ200H程度は追加で必要になったと思います。
【参考】税理士試験におすすめなボールペンと電卓
税理士試験は時間との戦いです。
本試験は勿論ですが、模試や答練でも素早く解答用紙に文字や数値を記入する必要があります。
なので、ボールペンや電卓は自分にあったものを見つけておくことをおすすめします。
税理士試験におすすめなボールペン→【社会人の勉強におすすめなボールペン】税理士試験で10年間試しました
税理士試験におすすめな電卓→【カシオの電卓で簿記におすすめ機種5選】現役経理が人気の電卓を紹介【CASIO派集合】
【前提】税理士試験簿財を働きながら合格するコツ5つ
では、早速ですが税理士試験簿財を働きながら合格するコツを解説します。
まずは、箇条書きで紹介しますね。
- 簿財の勉強開始前に受験までの勉強可能時間を算出する
- 独学は非効率なので予備校を使う
- 簿記2級は簿財受験前に受けるが簿記1級は受けない
- 財務諸表論の計算は簿記論でカバーする
- 財務諸表論の理論暗記の状況により財務諸表論は撤退を検討する
では、一つ一つ解説していきますね。
簿記論と財務諸表論それぞれに特化した勉強方法は別の記事で解説をしていますので良かったらみてくださいね。
税理士試験の簿記論の勉強方法→【税理士試験の簿記論の勉強方法】直前期の過ごし方が大事【合格体験記】
税理士試験の財務諸表論の勉強方法→【税理士試験の財務諸表論の勉強方法】コツを掴めば理論も難しくない【合格体験記】
①簿財の勉強開始前に受験までの勉強可能時間を算出する
簿財の受験前に、受験までに勉強時間をどれ程確保できるか算出をしましょう。
詳細に勉強スケジュールを立てる必要はありませんが、大まかなに平日何時間・休日何時間で計算をしてみてください。
確保できる勉強時間により簿財の同時受験をするか、簿記論と財務諸表論に分けて受験するか決めましょう。
- 受験までの勉強可能時間が1000H未満→簿記論から受験(翌年に簿記論で勉強した項目が財務諸表論の計算に活かせるため)
- 受験までの勉強可能時間が1000H以上→簿記論と財務諸表論を同時受験
スケジュールを建てるときのポイントは実現可能な計画を保守的に立てることです。
無理した計画だと実際に勉強を開始してから、計画を達成できなかったり、ストレスが過剰に溜まり勉強を継続できなくなります。
平日の勉強方法→【毎日2時間の勉強は社会人でもできる】平日に勉強する5つのコツを紹介
休日の勉強方法→【社会人が休日に勉強】するコツ5つ【休日に仕事の勉強をしたい方に必見】
②独学は非効率なので予備校を使う
独学は確かに費用が廉価ですが、自分で調べながら勉強をするので非効率となります。
時間はお金で買えないので、税理士試験のノウハウを持っている大手専門予備校を利用することをおすすめします。
大手予備校はTACと大原がありますが、私は確実に合格したい場合にはTACをおすすめします。
TACの学習範囲は大原より広い上に、条文に忠実なので会計基準の理論暗記が難しく最初は苦労します。
しかし、TACベースで学習すれば試験範囲をほぼマスターできます。
比較のために大手予備校の1つである大原に無料資料請求をしてみるのもおすすめです→高い合格実績で選ぶなら資格の大原 税理士講座
TAC受験生も大原の直前対策の模試は受ける
財務諸表論を確実に合格したいならTAC受験生は5月になったら、大原の直前対策で模試を受けましょう。
大原が重点的にマークしている論点も、大原の直前対策を受験すれば対策できます。
TACと大原で対策していない問題が本試験で出題されても、ほとんどの受験生が得点できません。
なので、その問題は没門になり合否に大きな影響を与えません。
TACと大原で扱う論点を完璧にマークすれば、絶対に合格できます。
③簿記2級は簿財受験前に受けるが簿記1級は受けない
税理士試験の簿記論と財務諸表論を受験する前に日商簿記2級を学習することをおすすめします。
税理士試験の簿記論と財務諸表論は少なくとも日商簿記2級の3倍程度は難しいです。
日商簿記2級を学習して簿記が難しいと感じた場合には、税理士試験の簿記論と財務諸表論を合格するのに非常に苦労します。
税理士試験の簿記論と財務諸表論を予備校で学習すると20万円以上の費用が掛かるので、自分の適性を考える上でも日商簿記2級の受験をお勧めします。
また、日商簿記2級で学習することの60%は簿記論と財務諸表論の学習で役立つので、勉強して損はありませんよ。
日商簿記1級は難易度も高く簿記論と財務諸表論を合格するのと同程度の労力が必要なので、特別な事情が無ければ事前に学習する必要はありません。
<日商簿記2級のおすすめテキスト&問題集>
<日商簿記3級のおすすめテキスト&問題集>
簿記1級は簿財と同程度の難易度なので無視する
簿記1級を合格しようと考えたら、簿財に合格するのと同程度の労力を要します。
また、簿記1級の試験範囲には工業簿記が含まれていますが、簿財では工業簿記はほとんど使用しません。簿記1級の工業簿記は非常に難解なので、工業簿記を理解するだけで500時間程度かかることもあります。
最短距離で税理士になるには簿記2級の合格の次は簿財をダイレクトで受験することをおすすめします。
④財務諸表論の計算は簿記論でカバーする
財務諸表論の計算は簿記論の計算が終了していれば、8~9割程度は解けます。
財務諸表論の計算で特有の論点は表示形式だけです。財務諸表論の表示の区分と科目を覚えて簿記論の論点を抑えれば少なくとも40点以上は取れます。
なので、財務諸表論の計算は表示形式の暗記が終了したら、総合問題を繰り返し解く程度で十分です。
財務諸表論の個別問題は簿記論の計算を理解していれば解かなくても問題ないですよ。
⑤財務諸表論の理論暗記の状況により財務諸表論は撤退を検討する
簿財同時に受験する時に絶対にあってはならないのが2科目とも落ちることです。
最悪でも簿記論だけは試験範囲を網羅して受験に臨めるように、スケジュールを管理していきましょう。
財務諸表論を撤退するタイミングは理論の進捗状況で判断することをおすすめします。
理論暗記の大まかなスケジュールは下記の通りです。
- 年内:重要語句の暗記
- GW前:会計基準の結論を暗記
- 直前期:模試で出題された理論を暗記
上記のスケジュールに間に合わない場合には、計算だけに集中して簿記論をまずは完成させましょう。
財務諸表論は理論を暗記していないと歯が立ちませんので受けるだけ無駄になります。
なので、理論の暗記が厳しい場合には計算のみの出題である簿記論を優先することをおすすめします。
<重要語句&会計基準の結論を暗記>
【参考】簿記1級から簿財の勉強時間
簿記1級に合格済の方は、簿記1級から簿財に合格するために必要な勉強時間も気になりますよね。
簿記1級を合格する実力があれば、簿財レベルの計算の学習のインプットはほとんど終わっています。
簿記1級合格者の方が簿財に合格するためにやるべきことは具体的には3つだけです。
- 簿記論:総合問題の解き方に慣れる(総合問題を解きまくる)
- 財務諸表論:理論暗記と財務諸表論独自の表示・注記の問題に慣れる
上記のやるべきことを踏まえて勉強時間を考えると、簿財(簿記論200H 財務諸表論 500H)で600H~800Hあれば合格ラインにのります。
ポイントは計算は苦戦しないはずなので、財務諸表論の理論を如何に早く覚えるかです。
【適職診断】税理士に向いているか科学的に調べてみる
そもそも自分が税理士に向いているか気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
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具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
適職診断について→【自分の価値観の見つけ方】仕事の価値観診断で働きやすい会社も分かる
税理士試験簿財を働きながら合格するコツの纏め
税理士試験の簿記論と財務諸表論は同時に学習することで計算の勉強時間を削減できます。
勉強時間を計算しないで簿財の受験を決めてしまうと、両科目共倒れになる危険がありますよ。
予備校が主張するメリットだけでなく、自分の勉強時間も考えた上で簿財を同時期に受験するか決めることをおすすめします。
効率的な勉強方法を探している方におすすめな本があります。様々な観点から100の効率的な勉強方法を紹介しているので、自分にピッタリな勉強方法を見つけることができます。真似できる箇所から実践して自分のオリジナル勉強方法を編み出してみませんか。気になる方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
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