経理は経験した業務内容で応募できる求人がほぼ決まると言っても過言ではありません。
転職市場での評価は、経理のキャリアで【何を】を経験したかが重要な要素となりますよ。
なので、普段から市場価値の高い業務は何か把握して、積極的に自分のキャリアを構築する必要があります。
この記事は経理で市場価値が高い人材を知りたい方向けに、経理の市場価値が高い人材の特徴を紹介しています。実際に経理の採用担当をしており、現在は管理部門の海外駐在として年収は1000万円を超えていますのでお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】経理の市場価値は【何の】業務をしたかで決まる
経理で将来キャリアアップをしたいと考えても、そもそも経理の市場価値の仕組みを理解していなければ間違った道に進んでしまいます。
経理でキャリアアップしたと思ったら、【何の】経理業務が市場価値が高いのかまずは理解することをおすすめします。市場価値が高い業務を理解出来れば後は、転職や社内で希望をして市場価値が高い業務を経験するだけです。
キャリアアップの方法を明確にしていれば、数年後には市場価値が高くなり転職市場で高年収でオファーが来るようになりますよ。
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
また、キャリアに関する質問にも回答させていただきますよ。
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【結論】経理の市場価値の決め方【経験者採用の場合】

経理の経験者採用の場合には、経理の市場価値は大きく分けて4つの要素で決まります。
具体的には
- 経験した業務内容
- 英語力
- 資格
- マネジメント有無(30代後半から重視される)
経験者採用は業務は即戦力候補を求めていることが多いので、経験した業務内容が重要となりますよ。
では、一つ一つ解説していきますね。
① 経理で市場価値が上がる業務経験
経験で市場が高い業務経験とは何にかをまずは紹介しますね。
大きく分けて3つ業務内容を紹介します。
- 制度会計
- 管理会計
- 税務
市場価値が高い業務としては、大きく区分をして3つのルートがあります。
他にも高年収な業務はありますが、代表的な経理の業務で転職で求人が多いのは上記の3つですよ。
なので、3つのルートのいずれかをまずは完成させることをお勧めします。
制度会計で市場価値が高い業務
制度会計の業務は簡単に言うと、法律に基づいて会計処理をして株主や利害関係者に報告することを目的としています。
なので、上場企業の全て会社で必要とされている業務なので、制度会計が出来れば経理として職に困ることはありません。
制度会計は大きく分けて3つに分類されますよ。
- 単体決算業務
- 連結決算業務
- 開示
この3つが一通りできると、30代前半で年収は600万円~700万円程度は狙えますよ。
連結決算が学べる本→【連結決算を学ぶのにおすすめな本5冊】解説がわかりやすい書籍を紹介
管理会計で市場価値が高い業務
管理会計とは法律に基づいて計算をするのはなく、会社が定めた独自のルールに基づいて計算・分析をする業務になります。
目的は会社の上層部が意思決定をするために有用となる情報(例:どの部門が利益を出しているか)を提供することですね。
なので、会社ごとに分析の対象は異なりますが、分析の手法は限られているので管理会計のスキルは大企業を中心にニーズがあります。
管理会計は大きく分けて3つに分かれます。
- 予実管理・分析
- 原価計算
- 業績分析(利益が出た要因の調査)
原価計算はメーカーなど製造業でニーズが高い業務ですよ。管理会計を一通り出来れば、大企業に転職できる可能性が上がります。
大企業は年収も良いので30代前半で700万円~800万円程度も目指せる可能性が出てきますよ。
管理会計が学べる本→【管理会計を学ぶのにおすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
税務で市場価値が高い業務
税務は全て企業に必要な業務なので、制度会計と同じく一回経験をすれば経理として職に困ることはありません。
税務業務は大きく分けて2つに分かれます。
- 国内税務(法人税・消費税・税務調査など)
- 国際税務(BEPS・APAなど)
国際税務は近年グローバル企業を中心に需要が高く経験をすると、30代前半で700万円~800万円程度も目指せる可能性があります。
税務の勉強方法→【税務の勉強法】現役経理が初心者でも学べる方法を解説【苦手を克服できる】
②経理×英語力は市場価値が高い
日常会話レベルの英語力があれば、経理×英語力で市場価値が上がります。
英語をできるだけ、経理経験があるだけの人材は多数の応募がありますが、英語が話せて経理の専門性がある人材はまだまだ少ないです。
例えば、下記の業務を担当できる経理で英語力がある人材は、年齢が高くても需要は無くななりません。
- 連結決算業務
- 国際税務
私は経理(連結決算業務)×英語力を武器に転職を検討したことがありますが、30代前半で年収700万円超の紹介が多かったですよ。
英語力の目安はTOEIC800点となります。800点超えであれば、上場企業のグローバル企業でも書類選考で英語力をアピールできます。
話せればTOEICのスコアは必要ないと考える方もいますが、客観的に英語力を証明できるものを持っておくことをおすすめします。
③ 経理の市場価値が上がる資格
経験者採用において市場価値が上がる資格は限られています。
なぜなら、経験者採用では実務経験が重要視されるので、資格は加点要素であるためです。実務経験→英語力→資格の順番で重要です。
経理で評価される資格の順番を並べます。載っていないものは正直あまり評価されません。
- 公認会計士
- 米国公認会計士(USCPA)
- 税理士
- 税理士科目合格(簿記論・財務諸表論・法人税法)
- 税理士科目合格(簿記論・財務諸表論・消費税法)
- 税理士科目合格(簿記論・財務諸表論)
- 日商簿記1級
- 税理士科目合格(簿記論 or 財務諸表論)
- 日商簿記2級【日商簿記2級のみでは弱いので、英語と組み合わせてアピールしたい】
上記の資格+実務経験があれば、書類選考の通過率が上がりますよ。
私は上場企業の経理に転職をしたときは、税理士科目合格(簿記論・財務諸表論)を武器に転職をしました。
書類選考通過率→ 【中途の書類選考の通過率は?】事務職に2回転職した結果と成功のコツを解説
④ マネジメント経験があれば市場価値が上がる
30代後半になると実務を知った前提で、メンバーを管理する能力を求めれます。
30代後半からは管理職やリーダークラスでのマネジメントが市場価値を上げるためには必要となります。
また、経理は専門家タイプの人間が多いのでマネジメント経験がある人材が不足していますよ。
なので、マネジメント経験があると経理として市場価値が上がります。
CFOを目指す人におすすめな本→【CFOを目指す人におすすめな本5選】経理のキャリアが学べる書籍を紹介
【具体例】経理の転職市場で人気の人材の特徴

実際に採用担当を長く担当するとどのような特徴の人間が人気の人材か一瞬で分かるようになります。
人気の人材は内定を出しても他の企業に取られたり、転職エージェントから人気なので早めに選考してくださいとアドバイスを受けます。
具体的にどのような人材が人気か特徴を箇条書きで記載しますね。
- 20代:上場企業の決算経験&英語力
- 30代前半:決算の取り纏め経験、連結決算(IFRS)・国際税務など希少性が高い業務の経験者
- 30代後半以降:海外駐在帰りの高レベルマネジメント経験者・経理専門スキル&管理職経験者
上記のような人材は内定が集中してプライム上場企業であっても獲得が難しくなっています。
【参考】経理の市場価値の上げ方
必要な業務は分かったけどいつまでにどの業務を経験したら良いの?と思う方もいらっしゃるかと思いますので、年齢別に纏めていきますね。
新卒~25歳 | 経理基礎業務(仕訳入力・請求書発行等) ★決算業務【重要】 | 最初は経理の基礎業務から単体決算までの一通りの流れを把握できることを意識して業務に取り組みましょう。 |
26歳~28歳 | ★連結決算【重要) 開示・有価証券報告書 監査法人対応 IFRS | 次は連結決算から開示までの流れをしっかり把握しましょう。その過程で監査法人とのやり取りも積極的にこなせば、この年代ではまずまずのキャリアです。(この経験を積むために転職を検討は有です) |
29歳~32歳 | ★リーダー経験 【重要】 システム導入経験 特殊論点 | 何としても決算取り纏めの地位を手に入れましょう。上場企業レベルでこの地位があれば、転職市場で少なくとも年収600~700万前後を狙っていけます。 |
30歳~40歳 | 海外駐在経験 | チャンスがあれば、海外駐在員に行きたいですね。この年齢で赴任出来れば、帰国後転職市場でも年収1000万円を目指すのは簡単です。駐在員にはそれだけの価値があります。 |
33歳~35歳 | 管理会計、税務 財務 | 連結決算のリーダーを経験出来たら制度会計のキャリアは万全なので、他の業務のリーダーも経験して業務の幅を広げたいですね。 |
36歳~40歳 | ★マネジメント経験 【重要】 | 管理職に絶対になりたいですね。30代後半に成れる見込みがなければ、転職しましょう。企業規模は1ランク下げてでも転職で管理職を狙いましょう。ここで、管理職になることが出来たら、年収1000万円は直ぐそこです。 |
40歳以降 | CFO | マネジメント経験があると、転職市場で求人を選び放題です。ベンチャー企業でCFO目指すも良し、大手企業の平均年収が高い企業を選ぶも良し。努力の結果が実を結びます。 |
★が付いている業務は経理で年収を上げる為に必須の経験となります。
何としても経験できるように意識してキャリアを構築していきましょう。
この年表通り業務経験を積んでいけば、最終的に年収1000万円は無理せずに狙えます。
【無料】自分の転職の市場価値は転職エージェントの紹介求人のレベルで分かる
市場価値は転職エージェントを利用して図ることができますよ。
転職エージェントに相談をすることで、年齢と経験した業務を基に紹介できる求人を紹介してくれます。転職エージェントも絶対に内定が出ない求人を紹介しないので、紹介された求人が現時点での貴方の年収の目安となります。
実際に転職をしないくても求人は紹介して貰えるので、市場価値の把握に転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。
キャリアアップを検討の方におすすめな転職エージェント
キャリアアップを目指したい方には、特化型転職エージェントの利用をおすすめします。
MS-Japanは管理部門全般に強みがあり、経理の専門性が高い業務を理解したキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。 しかし、求人数が少ないので、非公開求人が多い リクルートエージェントと doda で弱点をカバーしましょう。
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英語力×会計の転職におすすめな転職エージェント
英語力を活かして外資企業や日系グローバル企業への転職を目指した方は、外資企業に強い転職エージェントをおすすめします。
ロバートウォルターズ と エンワールドジャパン は高年収の外資企業への強みがあります。 しかし、外資企業以外の求人数が少ないので、非公開求人が多い リクルートエージェントと doda で弱点をカバーしましょう。
私が30代で外資企業の転職を検討したときは、下記の組み合わせをメインで転職活動を行ってました。
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ロバートウォルターズ | 世界31か国、主要都市にオフィスを構え、日本では「グローバル人材」に特化した人材紹介会社。 世界的に有名な外資企業の高年収求人を豊富に保有。 | 【ロバートウォルターズの評判は?】体験談から解説【外資経理に強み】 |
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適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
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仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
経理で市場価値が高い人材の特徴の纏め
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