経理で働いていると簿記必要とのイメージがありますが、簿記を持っていないデメリットを解説している記事は少ないです。
私はプライム上場企業の経理で勤務をしており現在は管理部門(経理含む)の海外駐在として海外で働いています。
上場企業の経理で働いていたときは、簿記を持っていた人と簿記を持っていない人の両方と働いていましたのでデメリットは解説できますよ。
この記事では、経理で簿記を持っていない場合のデメリットを解説します。中小企業、プライム上場企業の経理、海外駐在での経理経験があるので、実情に即したリアルな情報を提供できると思います。
では、纏めていきますね。
【前提】経理で必要となる簿記のレベル
まずは、簿記と言っても1級~3級までどのレベルの知識が必要なのか知りたいですよね。
経理は大きく分けて未上場企業か上場企業で求められる簿記のレベルが大きく異なります。
- 未上場企業:日商簿記3級(キャリアアップを考えるなら日商簿記2級迄保有したい)
- 上場企業:日商簿記2級
上場企業は未上場企業よりも厳格な会計基準に従う必要があるので、求められる簿記のレベルが高くなります。
上場企業の経理でも一般的な経理決算業務であれば簿記1級までは必要ありません。簿記1級を取得出来れば経理キャリアにプラスであることは間違いありません。しかし、簿記2級まで取得していれば、インターネットや本を用いて業務を行う力があるので経理の実務は大抵こなせます。
なので、まずは簿記2級を目指すことをおすすめします。
【注意】簿記はピラミッド形式で学ぶ
簿記2級が必要なら簿記2級から学習すれば良いと考える人がいますが、それはおすすめしません。
簿記は英語と同じくピラミッド形式で知識を積み上げる必要があるので、簿記3級から学ぶべきです。
簿記2級のテキストは簿記3級の合格者を前提に作成されているので、簿記3級を理解した後に簿記2級を学ぶことをおすすめします。
簿記3級の試験を必ず受ける必要はありませんが、簿記3級のテキストを理解して問題集を解けるレベルの知識が必要です。
簿記3級を独学で勉強するのにおすすめなテキスト→【簿記3級の独学】におすすめな無料サイトと初心者向け参考書3選
【結論】経理で簿記を持っていないとヤバい理由5つ
では、早速ですが経理で簿記を持っていないとヤバい理由5つを解説します。
まずは、箇条書きで紹介しますね。
- 経理部門では出世が難しい
- 経理スキルが身につかない
- キャリアアップでの転職の難易度が上がる
- 年収が低い or リストラ対象となりやすい
- 専門家と対等に会話できない
では、一つ一つ解説していきますね。
①経理部門では出世が難しい
経理の管理職は簿記2級は保有していることが多いです。
実際に私の上司だった人や他社の課長クラスは簿記2級を取得していました。また、経理の管理職を中途で募集するときは簿記2級以上を応募要件とするケースが多いですよ。
上司が簿記2級を持っていると同じく簿記2級を取得している人を評価する傾向が強く、簿記2級を持っている部下に優先的に出世をさせていきます。
良いか悪いかは別として人間は自分と似た人を評価するので、簿記2級を持っていないだけで他の簿記2級をもっている人より不利になりますよ。
簿記2級を持っている人より明らかに仕事で成果を出せば出世の可能性はありますが、簿記2級を取得するよりも労力がかかります。
簿記2級を取得しない場合は経理部門では出世が難しいので、出世を望むなら他の職種への転職も検討してみてはいかがでしょうか。
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<大企業への転職におすすめな転職エージェント纏め>
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②経理スキルが身につかない
簿記を持っていないと決算業務など重要な業務を任されません。
決算業務など経理スキルが上がる業務の大半は、簿記の知識がないと本質を理解できないことが多いです。例えば、決算業務はイレギュラーな事象が生じた場合には、簿記の知識を元に会計処理を自分で考える必要があります。
なので、簿記の知識がないと小口管理や請求書発行など単純作業がメインの仕事となり経理スキルが身に付かない可能性が高いです。
簿記の知識と同様に必要なのが、決算書を読めることです。時間があれば簿記の勉強と並行して決算書の読み方も勉強することをおすすめします。
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③キャリアアップでの転職の難易度が上がる
簿記検定は自分の経理レベルを証明するのに1番手っ取り早い方法です。
例えば、簿記2級を取得していれば面接官は上場企業の単体決算レベルなら任せられると簡単に想像できます。
しかし、簿記を取得していないと職務経歴書から推測するしかなく、候補者の経理レベルを想像できないことが多々あります。経理レベルが想像できない場合は他に良い候補者が全くいない場合には面接に呼びますが、簿記2級を取得している他の候補者がいればその候補者を面接に呼びます。
キャリアアップで転職を考える場合には、転職先も人気な企業であるケースが多いので簿記2級無しで書類選考に通過するのが難しいです。
④年収が低い or リストラ対象となりやすい
簿記の知識がないと単純作業を担当することが多くなります。
単純作業は誰でもできる仕事なのでAIや派遣に仕事を取られリストラ対象になる可能性が高いです。リストラ対象と迄いかなくても、単純作業のみでは年収を上げることは難しく、低年収となるケースが多いです。
実際に勤め先ではAIを活用して単純作業を無くす取り組みを実施しており、経理の余剰人員は部署異動を検討しています。
単純作業のみを担当して経理で定年まで安定して働ける可能性は極めて低いと言えます。
実務では単純作業を効率よく終わらせて、難易度が高い仕事に取り組む時間を作るためにExcelの技術が必要不可欠なので、簿記と併せて勉強をおすすめします。
経理で必要なExcelが学べる本→【経理で使うExcelが学べる本5選】エクセルで業務効率化を狙える書籍を紹介
⑤専門家と対等に会話できない
経理は業務で税理士や公認会計士など外部の専門家と一緒に仕事をする機会が多いです。
経理は税理士や公認会計士に交渉をして自社の会計(税務)処理を認めさせることも重要な仕事となります。
税理士や公認会計士は簿記の知識がある前提で話をするので、経理に簿記の知識がないと全く会話にならず対等に交渉ができません。
【参考】自分の適職を科学的に調べてみる
自分の強みや適職が気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
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具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
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仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
経理で簿記を持っていないのはヤバい理由の纏め
経理と簿記の知識は密接な関係があり、簿記2級レベルの知識を身に着ければ担当できる業務の幅も大きく広がります。
簿記2級は300~400H程度勉強をすれば取得でき、実務でも役立つのでコスパが良い検定です。
簿記2級を取得してキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。
市場価値の上げ方に着目して解説しています。転職だけを正解とせずに、現職に留まりながら市場価値を上げる方法も述べられており、選択肢が多くて参考になります。転職を検討している方は是非読んでみてください。 気になった方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
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