会計事務所から経理への転職は経理の人材不足に伴い近年積極的に行われております。
しかし、誰でも合格できるわけではなく、一般企業の経理が欲しがる人材に当てはまるようにアピールが必要となりますよ。
一般企業の経理で求められるスキルを理解して、会計事務所で経験したことの中でアピールすれば短期間で内定がでます。
この記事では、会計事務所や税理士事務所から一般企業の経理への転職を検討している方向けに、一般企業の経理へ短期間で転職できるコツを解説いたします。実際にプライム上場企業で経理の採用担当を勤めた経験もあり、現在は海外駐在でCFOとして勤務しているのでお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】会計事務所から一般企業の経理に転職するメリットは3つ
会計事務所から一般企業へ転職するメリットは大きく分けて3つあります。
- ワークライフバランスが取りやすい(顧客に合わせて業務を行う必要がない)
- 大規模な連結決算や国際税務を経験してキャリアアップができる
- 専門職として経理は高年収を得やすい
一般企業の経理の1番のメリットはワークライフバランスが取りやすいことではないでしょうか。
一般企業の経理は顧客がいないため自分のペースで仕事ができるので、繫忙期を除いては基本的に定時で帰れますよ。
経理のワークライフバランス→【経理のワークライフバランスは?】経理が働きやすい企業の特徴5つ【現役CFOが解説】
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
また、キャリアに関する質問にも回答させていただきますよ。
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【結論】会計(税理士)事務所から一般企業の経理へ転職に成功するコツ4つ
では、早速ですが会計事務所から経理への転職のコツ4つを紹介します。
まずは、箇条書きで纏めていきますね。
- 会計事務所での経験を一般企業の経理が求める人物像に合わせて記載する
- 一般企業向けの面接対策をする
- 経理の未経験者を求めている求人を中心に応募する
- 特化型の転職エージェントを利用する
では、一つ一つ解説していきますね。
①会計事務所での経験を一般企業の経理が求める人物像に合わせて記載する
職務経歴書には一般企業の経理へアピールになる経歴やスキルのみを抜粋して記載しましょう。
会計事務所や税理士事務所の経験を活かして一般企業の経理が好む職務経歴書に仕上げることで、他の候補者との差別化に繋がります。
まずは貴方が会計事務所や税理士事務所で得られた経験やスキルで、一般企業の経理へアピールできるものを棚卸ししましょう。
会計事務所や税理士事務所で得られた経験とスキルで一般企業の経理への転職でアピールになるものを抜粋しますので参考にしてみて下さいね。
会計事務所や税理士事務所で得られた【業務経験】で一般企業の経理へのアピールになるもの
会計事務所や税理士事務所での【業務経験】で職務経歴書に記載すべきことを纏めていきます。
下記の箇条書きで、経験したことを軸に仕事内容と実績を説明することをおすすめします。
- 大規模法人の月次決算や税務申告の担当経験【上場企業か売上が1億超の会社があると良い】
- チームで業務を行い結果(数値で表せるもの)を出したもの
細かいことを沢山記載するよりも、上記2点に絞って記載することで強みを強調できます。
一般企業の経理は税務が弱いので、大規模法人の法人税・消費税の申告業務を理解していることは強力なアピールポイントになります。また、一般企業の経理はチームプレーを重視するので、貴方がチームで結果を出した経験があることをアピールすることも大切です。
一般企業の経理の面接官は、会計事務所や税理士事務所は単独で業務をすることが多いと思っています。
なので、チームプレーが必要な業務も多数あったことを付記することをおすすめします。
相続、個人の所得申告の業務経験は、一般企業の経理への転職ではアピールにならないので職務経歴書に強調して記載する必要はありません。
職務経歴書で大事なのは一般企業の経理へアピールできる項目を目立たせて書くことなので、一般企業の経理の全体像を本で事前に理解しておくのもおすすめです。
一般企業の経理の実務が分かる本→【中小企業の経理実務の勉強におすすめな本5冊】分かりやすい書籍を紹介
【参考】会計事務所や税理士事務所で得られた【スキル】で一般企業の経理へのアピールになるもの
会計事務所や税理士事務所での【スキル】で職務経歴書に記載すべきことを纏めていきます。
職務経歴書には【業務経験】の他に活かせる【スキル】を記載することがあります。
活かせる【スキル】=【業務経験】から得た一般企業の経理にも通用する普遍的な【スキル】と思えばOKです。
下記のスキルを職務経歴書に記載することをおすすめします。
- 簿記の知識
- 法人税、消費税の知識
- 法人でも使える節税対策
- Excelなどの資料作成スキル
上記項目は一般企業の経理でもアピールできるので積極的に記載しましょう。
特に簿記と税務知識については、どの売上規模のレベルの会社を何社担当して、実際に申告や月次決算を何回行ったか定量的に書くと分かりやすいです。
例えば、下記の具体例なら②の方がアピールになりますよね。
① 法人税の知識が豊富です。
② 3年間上場企業を5社担当しており、法人税の税務申告も15回経験しています。なので、別表1・4・5の作り方や繋がりは理解しています。
Excelのスキルがないと入社後に困るのでExcelの勉強は今のうちから始めることをお勧めします。
経理のExcelが学べる本→【経理で使うExcelが学べる本5選】エクセルで業務効率化を狙える書籍を紹介
【参考】職務経歴書の雛形フォーマットは転職エージェントから貰える
職務経歴書の雛形のフォーマットは無料で転職エージェントから貰えます。
転職エージェントが提供してくれる職務経歴書の雛形は、書きやすくてデザインも良いです。
大手の転職エージェント(リクルートエージェント や DODA)に無料登録すれば、見栄えが良いものが簡単に手に入りますのでおすすめです。
また、職務経歴書を添削してくれるサービスもあるので興味があれば利用してみてはいかがでしょうか。
職務経歴書の添削サービス→【職務経歴書・履歴書の添削サービス】有料・無料ごとにおすすめを紹介
② 一般企業向けの面接対策をする
一般企業の経理の面接は聞かれることが決まっているので、事前に面接対策が必須です。
職務経歴書を作成したら、次は面接の回答を準備しましょう。
面接官は職務経歴書を見ながら質問して、貴方の回答と職務経歴書の答え合わせをしています。
回答を準備する際に注意したいのは、職務経歴書と面接での回答に矛盾が生じないようにすることです。
面接で重要な自己PRからまずは作成してみるのがおすすめですよ。
自己PRの作成方法→【経理の自己PRは未経験でも簡単に作れる】転職で内定を得た具体例も紹介
【面接対策】会計事務所からから経理への転職の志望動機の例文
会計事務所から経理への転職時の志望動機の具体例は下記の手順で作成することをおすすめします。
<作成の手順>
- 経理の仕事に興味を持ったきっかけ
- 自分の能力で経理で活かせるポイント
- 経理で担当したい仕事
<具体例>
- 会計事務所で数十社の担当の決算を担当するうちに、広く浅く多くの会社と関わるのではなく1社を深く担当して自分で1から財務諸表を作りたいと思いました。
- 中小企業を中心に数十社の決算と税務を担当をしていたので、基本的な単体決算や税務申告の流れは理解しており一般企業の単体決算に知識を活かせると考えております。
- 入社をしたらまずは単体決算を経験して、数年後には連結決算も担当したいです。
ポイントは最後に経理でやってみたい具体的な業務内容を付け加えることです。具体的な業務内容を述べることで、面接官に本気度の高さをアピールできますよ。
志望動機の他にも経理でのキャリプランも頻出で聞かれるので、自分が10~20年後に経理で目指したいポジションをイメージしておくことをおすすめします。
キャリアプランを考えるのに参考となる本→【CFOを目指す人におすすめな本5選】経理のキャリアが学べる書籍を紹介
③ 経理の未経験者を求めている求人を中心に応募する
会計事務所や税理士事務所の経験があれば、一般企業の経理でも経験者扱いをする企業もあります。
しかし、一般企業の経理と会計事務所や税理士事務所は、簿記の観点では同じでも、社風や仕事のやり方が全く異なります。
経理の経験者募集向けの求人に募集すると下記のデメリットがあります。
- 即戦力扱いになるので、入社後に結果を早く出す必要がある
- 経験者採用に応募する候補者は一般企業の経理出身が多いため、選考で会計事務所出身は不利になる
経理の未経験者募集若しくは経験が浅い方向けの求人に募集すると下記のメリットがあります。
- 入社後に丁寧にOJTが受けられるため、精神的に余裕ができる
- 未経験者と会計事務所出身では、会計事務所出身が業務経験の観点から有利になる
なので、経理未経験者か経験が浅い方(1~3年)を求めている求人に応募することをおすすめします。
④ 特化型の転職エージェントを利用する
特化型転職エージェントとは、特定の分野や業界に強い(特化している)転職エージェントとなります。
例えば、管理部門に強いなどの特徴が挙げられます。
特化型転職エージェントは、特定の職種の業務内容や特定の業務分野に精通しているので、貴方の職種やキャリアを十分に理解した上で求人を紹介してくれます。そのため、転職の成功率や満足度が高いと言えます。
特化型転職エージェントは、特定の分野しか扱わないため求人数は少ないです。
そのため、特化型転職エージェントは他のエージェントと併用して利用することがおすすめです。
具体例を上げるとイメージが湧きやすいので、管理部門に強い特化型転職エージェントを紹介します。
MS-Japanは管理部門に特化しており、特に経理部門への転職ノウハウを持っています。経理の転職活動に必須な転職エージェントです。
エージェント種類 | オススメなポイント | 体験談 |
MS-Japan | 「管理部門特化型エージェントNo.1」として多くの実績と評価あり。 経理の知見があるキャリアアドバイザーが付くため、経理の転職には強い。 | 【MS-Japanの特徴】体験談と評判からメリットとデメリットを解説します |
経理に強い転職エージェント→【経理に強い転職エージェントのおすすめ】未経験者と経験者別に紹介
【小技】会計(税理士)事務所から経理への転職理由は簡単に作れる【例文で解説】
会計(税理士)事務所から経理への転職するには、転職理由を明確にする必要があります。
本音はワークライフバランスの改善や給与であっても、建前で転職理由を上手く述べましょう。転職理由を上手く述べることができるかも含めてコミュニケーション能力と企業は考えています。
では、会計事務所(税理士)事務所から経理への転職で簡単に作れる転職理由を紹介します。
【例文】会計(税理士)事務所から経理への転職理由
早速ですが、例文を紹介します。
<例文>
会計事務所では複数の企業の決算や税務申告をサポートしてきました。経営者に会計や税務のアドバイスをすることで、お客様と一緒に経営改善してく面白さは感じていました。しかし、一方で資格勉強の過程で学んだ、大規模な連結決算や特殊論点も論点も担当してみたいと考えるようになりました。顧問先は中小企業が中心なので複雑な論点はなく、複雑な論点を積む機会がないので転職を決意しました。
上記のように会計(税理士)事務所では経験できない内容があるので、一般企業の経理に転職する旨にすれば転職理由は上手く回答できますよ。
【参考】経理に向いているかを科学的に調べてみる
経理に向いているか気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
貴方の選択した回答に基づいて、適職診断を自動で行ってくれる仕組みです。所要時間は約30分程度なので気軽に行えます。結果を見て頂ければ分かりますが、詳細に性格や職務適性を分析してくれます。無料なので気軽に試せるのでおすすめです。
具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
経理への転職に成功するコツ 纏め
会計事務所・税理士事務所から一般企業の経理への転職のポイントは、両者の【違い】を意識することです。
【違い】を理解できれば、一般企業の経理に有効なアピールポイントが分かりますよ。
一般企業の経理に有効なアピールポイントを理解すれば、短期間で効率的に内定を獲得できます。