PMIとは簡単に言えば、M&Aで統合した会社の組織マネジメントを実施することでM&Aの統合化効果を最大限獲得することです。
M&Aは会社の買収するまでに目が行きがちですが、実際にはPMIのプロセスがM&Aの成功要否を決める大きな要因となりますよ。
例えば、パナソニックが三洋電機を子会社化した事例はPMIが上手く行えずM&Aが失敗したケースとして良く挙げられます。
この記事では、PMIを勉強したい方に向けて、PMIの実務で役立つ本を紹介します。実際に海外子会社のCFOとして勤務しており、本社経理としてPMIに従事したときに参考にした本も紹介するのでお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】PMIが重要とされる理由
Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の観点はM&Aで見込んだ投資の成果するために欠かせまん。
M&Aで買収する場合には基本的にはプレミアム価格が発生することが多く、買い手は買収する会社の価値より高い価格で買収を実施します。つまり、通常の株式購入額(会社の実際の価値)に加えて、経営に影響を与えるメリットに対する上乗せします。
そのため、M&Aで見込んだ経営に与えるメリットが発現しない場合には、M&Aは基本的に失敗となりますよ。
PMIはM&A見込んだ経営に与えるメリットが確実に発現するための買収後の統合作業となり非常に重要な業務となります。
PMIには財務諸表の知識が欠かせない
PMIの成功の要否は数値に関連する要素が多数を占めます。
例えば、
- 統合により間接部門の統合→費用削減
- 顧客情報の共有による販売戦略の強化→売上増加
- システム統合による業務効率化→費用削減
PMIが成功したかは最終的には、財務諸表の利益に対してプラスの結果を出すかで評価されます。なので、PMI担当者は自社の決算を理解できる会計知識は絶対に必須の知識となります。
会計知識に不安がある方は、まずは財務諸表を理解できるように勉強をしましょう。
財務諸表の理解に役立つ本→【決算書の読み方が勉強できるおすすめの本5選】財務諸表が読めるようになる
【結論】PMIの実務に役立つおすすめ本4選
では、早速ですがPMIにおすすめな本を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介しますね。
では、一つ一つ解説していきますね。
【初学者向け】企業買収後の統合プロセス
<内容>
M&A後の実務を経営・業務・意識に分け、企業内部の視点から解説した入門書。幅広いテーマを図表等を用い分かりやすく説明。企業の実例をもとに書かれ、貴重な内容である。
<おすすめポイント>
買収後に何をしたら良いのかを体系的に図解で解説しているのでPMIの全体像がイメージできます。本書と自分自身が担当する領域の専門書をあわせて購入すると、業務に役立つ基本的な知識は大抵は網羅できますよ。PMIの全体像が知りたい人にはすめの一冊です。
【初心者向け】 M&A後の組織・職場づくり入門 「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか
<内容>
本書では、これまで戦略論や財務・法務の観点から語られてきたM&Aを、組織・職場づくりの観点から述べていきます。具体的には、組織変革や組織開発の知見を活用しながら、M&A後の統合プロセスにおける「人と組織」の問題に解決策を提案していきます。
<おすすめポイント>
人事向けとされているが、全ての部門で【人】の問題は生じます。例えば、システム統合も買収企業側の企業文化や組織の仕組みを尊重した上で取り入れないと納得感が得られずに、システムの導入は遅々として進みません。PMIに係る担当者は相手側の文化を理解する大切さを再認識させてくれる良書です。PMIを始めて担当する人におすすめな本です。
【経営者(経営企画)・人事向け】 M&Aシナジーを実現するPMI
<内容>
買収後のPMIのノウハウを体系的に解説した、初めての実務ガイドブック。M&Aにおいて、事業シナジーを創出し企業としての成長を実現するためには、PMIの的確な実行が必要不可欠である。買収目的に応じたPMIの手法について、ハード面(組織、人事諸制度)とソフト面(企業・組織文化)の双方の視点から、インタビューやケーススタディを交えて具体的に解説する。
<おすすめポイント>
PMIでシナジー効果を発現するために具体的に人事が何をすべきかを包括的に記載されています。事例も交えて解説しているので、PMIの進め方が具体的にイメージできますよ。人事のPMI担当がPMIで何をすべきか迷ったらおすすめな本です。
【経営者(経営企画)・経理向け】PMIの実務プロセス
<内容>
M&Aの普及に伴い重視されてきているPMI(買収後の経営統合)につき、その進め方と留意事項を解説。PMIのチェックリストとしての活用を目指した内容となっている。
<おすすめポイント>
まず全体像を示した後、PMIの土台となる「ビジョン」「戦略」「ガバナンス」の統合を説き、さらに「人事領域」「財務・会計領域」「システム」「営業機能」「物流機能」「総務領域」の機能別に統合プロセスと留意点を詳細に説明しています。特に「財務・会計領域」「システム」はコンサルティングの観点から記載されており、現役経理でも読み応えがあり実務に応用できます。財務領域の担当者にはおすすめの本です。
PMIの効果管理は管理損益の知識が必要なので経理担当者は勉強をおすすめします。→【管理会計の実務の勉強におすすめな本5冊】FP&Aの解説が分かりやすい書籍を紹介
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仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
PMIにおすすめな本の纏め
PMIは様々な専門知識が必要とされ、社外で様々なバックグラウンドを持つ人と関わるので非常に難しい業務の1つです。
しかし、PMIを成功させれば会社に与える業績インパクトも大きくやりがいがある業務とも言えますよ。
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