戦略人事を近年耳にする機会は多いのではないでしょうか。
実際に私は海外駐在で人事責任者として業務をしていますが、人事を経営戦略を担う部門に変革すること(戦略人事)も本社から求められています。
戦略人事は各社によって定義は異なりますが、共通しているのは人事を定型業務から脱却させより経営側の思考に近づようとしていることです。
この記事では、戦略人事を学びたい方に向けて人事戦略の勉強となる本を紹介します。実際に人事部の責任者(HRBP)として戦略人事に取り組むために参考にした本なのでお役に立てると思います。
では、纏めていきます。
【前提】戦略人事は中期経営計画の理解が重要
戦略人事は明確な定義がないため何をするかが理解せれにくいですが、企業の中期経営計画の目的を達成するために人事の側面からアプローチをしていきます。
簡単な例ですが、企業が中期経営計画で売上10%増加を目標としたとします。
戦略人事の考え方では中期経営計画に沿って下記の準備を進めていきますよ。
- 売上を達成するために必要な販売員の人数の計画
- 中期経営計画に沿って販売員の育成を計画
- 新規支店の解説に向けて支店長候補の育成を計画
イメージは中期経営計画を理解して、人事から中期経営計画に必要な人事面での提案をすることが戦略人事の大きな役割です。
中期経営計画は業績に関連した目標となるので、正確に理解するには財務諸表を読めることが必須の知識となります。
人事で財務諸表を読めるのは強みとなりますので、戦略人事と併せて財務諸表の勉強をすることをおすすめします。
財務諸表を読むのにおすすめな本→【決算書の読み方が勉強できるおすすめの本5選】財務諸表が読めるようになる
【結論】戦略人事を学ぶのにおすすめな本5選
では、戦略人事を学びたい方におすすめな本を紹介します。
まずは、箇条書きで纏めていきますね。
- 戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ
- CHROの原理原則―人事は水を運ぶ
- 最強の戦略人事: 経営にとっての最高のCAO/HRBPになる
- NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く
- amazonのすごい人事戦略
では、一つ一つ解説していきますね。
【入門】戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ
<内容>
NKKやGEで、長年、人事部門を歩んできた「人事のプロ」と組織行動研究の第一人者が、 人事本来の役割、人のやる気の引き出し方、組織開発の手法、リーダーの育成法などを経営の観点から綴った1冊です。
<実際に読んでみて>
人事の本来の役割は何かに明確に回答してくれる本です。解説書ほど分厚くないので気軽な気持ちで読めるのも嬉しいです。定型業務型の従来の人事と戦略人事との違いを知りたい方にはおすすめです。
【入門】CHROの原理原則―人事は水を運ぶ
<内容>
ベンチャー企業や成長組織の人事担当者が集う、戦略人事の基礎講座「CANTERA(カンテラ)」。本書は、その講義内容や、参加者との課題討議から紡ぎ出された知見のエッセンスをまとめたものです。
<実際に読んでみて>
CHROではなく人事の若手が読む本としては、戦略人事が何を目的としているかを学ぶにはおすすめです。特にベンチャー企業や中小企業などの人事制度が不完全な企業の人事担当におすすめな本です。
評価制度の作り方が学べる本→【人事評価制度が学べるおすすめ本5選】評価制度の作り方が分かる書籍を紹介
【実務者向け】最強の戦略人事: 経営にとっての最高のCAO/HRBPになる
<内容>
人事担当者は、経営者にとっての「戦略パートナー」でなくてはならないとの考え方のもと、「HRBP」の仕事の中でも最も核心部分である組織設計のノウハウを紹介している本です。
<実際に読んでみて>
組織設計を行うための具体的なアプローチ方法が事例で紹介されており、実務でも実践可能な手法が紹介されています。組織設計を担当している方にはおすすめな本です。
組織開発におすすめな本→【組織開発が学べるおすすめの本5選】人事初心者にも解説が分かりやすい書籍を紹介
【他社事例】NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く
<内容>
業態の大進化を遂げながら、なぜ急成長できたのか――その秘密は、ラディカルな人事戦略と文化創造にあり!NETFLIXの躍進を可能にした企業文化について説得力豊かに語られた本書は、今世紀のビジネスで成功を願う全員にとって役立つ本です。
<実際に読んでみて>
Netfrixでの採用、評価、給与の考え方などを最高人事責任者が解説しており、新しい人事制度の導入のヒントとなる事例が沢山あります。競争が激しい業界の人事制度を参考にしたい方にはおすすめな本です。
【他社事例】amazonのすごい人事戦略
<内容>
アマゾンがここまで巨大企業になり、現在も伸び続けているのは、いっぷう変わった人事制度のおかげです。日本企業の常識からすると非常識とも思えるほど、独特の仕組みですが、じつによく考え抜かれて見事に機能しています。本書は、その人事制度の仕組みができあがっていくのを、アマゾンの内部で体験した人間が解説している本です。
<実際に読んでみて>
読み物としてはamazonの人事制度を知れて面白くおすすめですが、人事として本書で具体的に何かを行うのは難しいです。成長企業の人事制度の仕組みは理解できるので、ベンチャー企業などの人事におすすめな本です。
【併せて読みたい】人事戦略におすすめな本3選
人事戦略は戦略人事とは異なり経営目標にコミットしていません。
戦略人事は経営に近い上流工程、人事戦略は人事のオペレーションの改善をして日常業務の効率化を高めるイメージです。
しかし、戦略人事を実現するためにも日々の改善業務である人事戦略は重要なので、人事戦略も併せて勉強することをおすすめします。
Scaling Teams 開発チーム 組織と人の成長戦略 ~エンジニアの採用、マネジメント、文化や価値観の共有、コミュニケーションの秘訣~
人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~欧米のモノマネをしようとして全く違うものになり続けた日本の人事制度
全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発
【参考】自分の適職を科学的に調べてみる
自分の強みや適職が気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
貴方の選択した回答に基づいて、適職診断を自動で行ってくれる仕組みです。所要時間は約30分程度なので気軽に行えます。結果を見て頂ければ分かりますが、詳細に性格や職務適性を分析してくれます。無料なので気軽に試せるのでおすすめです。
具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
戦略人事を学ぶのにおすすめな本
戦略人事は抽象的で掴みにくいですが、重要なポイントは限られています。
近年は多様な働き方が増えたことにより重要性が増しているので、戦略人事の考え方が身に付ければ市場価値が高い人材になりますよ。
まずは、本を1冊読んでみて興味が湧けば、HRBPを目指してみてはいかがでしょうか。
一番のおすすめは戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れです。解説が丁寧なので始めて戦略人事を学ぶ人にもおすすめな本です。 気になった方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
本が無料で読めるAmazonのサービスは下記の記事で纏めていますので良かったら見て下さいね。
【30日間は本を無料で読める】Amazonの電子書籍サービス3つを比較