経理だけでなく、ビジネスパーソンは決算書を読む機会が多いのではないでしょうか。
例えば、株の投資や社内で競合他社の分析をしている方は、決算書を正しく理解する力が求められます。
決算書は企業の健康状態を示しているので、正しく読み取る力を付ければ企業の収益力を理解できるようになりますよ。
この記事では、決算書の読み方を学ぶためにおすすめな本を紹介します。決算書をレビューしているCFOの立場から、実際に読んで本当に分かりやすく解説しているものをピックアップしました。
では、纏めていきます。
【前提】財務諸表が読めるようになるには3つの要素を理解する
私は経理で実際に働くまで、決算書と言われても何を指すのかイメージがつきませんでした。
なので、最初に決算書とは一般的に何を指すのか、改めて明確にしておきますね。
<決算書の3つの構成要素【財務3表】>
- 損益決算書【P/L】:当期の利益を表す
- 貸借対照表【B/S】:一時点の資産・負債・純資産の残高を表す
- キャッシュフロー計算書【C/F】:当期の現金の増減を示す
上記が決算書の構成要素となり、決算書を理解するには上記の財務3表の関係を意識するのが大事になります。
特にキャッシュフロー計算書は仕訳ベースで理解できないので、苦手意識を持つ方が多いです。なので、本格的に決算書を読みたい方は専門書で勉強すると効率的ですよ。
キャッシュフロー計算書を学ぶのにおすすめな本→【キャッシュフロー】を学ぶのにおすすめな本5冊【解説が分かりやすい書籍を紹介】
【株式投資】決算書の読み方を学ぶポイント
会計の初心者の方が株式投資のために決算書の読み方を学ぶ場合には、以下の2つのポイントを意識することをおすすめします。
- 段階利益の意味(例:売上総利益は何の利益?など)
- 各キャッシュフローの増減の意味(例:営業CFは何の活動で増減するのか)
私も株式投資をしますが、投資をする上で重要な考え方として、本業で利益を出しているかが大事となります。
例えば、A社とB社の決算が下記の通りであるとします。
- A社:営業利益 +200 税引前利益 +100→本業で利益を安定的に確保出来ている
- B社:営業利益 + 0 税引前利益 +500→本社ビルの売却により利益が出た
この場合には本業で利益を上げている、A社に私は投資をします。
段階利益やCFの各項目を理解することで、会社の本業が上手くいっているか理解できますよ。
IFRSで決算書を発表している会社もあるのでIFRSの勉強もおすすめです。
IFRSを学ぶのにおすすめの本→【IFRSを学ぶのにおすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
また、キャリアに関する質問にも回答させていただきますよ。
ココナラで体験談をもとにキャリア相談を承っていますので良かったらご利用ください。→経理のキャリアアップ 経理の転職相談を承ります
【おすすめ】決算書の読み方の解説が分かりやすい書籍5選
では、おすすめ書籍を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介します。
- カンタン図解で圧倒的によくわかる! 【決定版】決算書を読む技術
- 会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
- 【新版】財務3表一体理解法 (朝日新書)
- 決算書の読み方 最強の教科書 決算情報からファクトを掴む技術
- MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣 | シバタナオキ |本 | 通販 | Amazon
では、一つ一つ解説していきますね。
【図解:初学者向け】カンタン図解で圧倒的によくわかる! 【決定版】決算書を読む技術
<内容>
図解を中心に解説しており、難解な計算式を使わないで解説しています。本書を最後まで読めば、決算書の数値から企業の経済状態を理解できますよ。
<実際に読んでみて>
初学者から段階を踏んで理解できるように設計されているので、本書の順番通りに学習をすれば基本的な決算書は読めるようになります。会計を初めて学ぶ方にはおすすめの本です。
【初学者向け】会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
<内容>
初心者でも分かりやすいように、図解を豊富に用いて解説しています。クイズ形式なので飽きずに読むことができ、読み終わった頃には決算書の基本は理解できるように設計されています。
<実際に読んでみて>
初心者でも短時間で簡単に理解できることをコンセプトに纏めてあります。実際に具体例を出しながらの解説はイメージが付きやすいので、文章だけの解説が苦手な方にもおすすめです。
経理の初心者向けにおすすな本→【経理の初心者におすすめの本5選】始めての方が勉強になる書籍を現役経理が紹介
【初学者向け】【新版】財務3表一体理解法 (朝日新書)
<内容>
取引ごとに財務3表を実際にドリルで解く設計になっています。本書を読めば財務3表の基本的な作り方を理解できます。
<実際に読んでみて>
財務3表のつながりに重点を置いて解説しており、代表的な取引が財務3表の【どこ】に影響を及ぼすかを学べる設計になっています。取引事例から財務3表の繋がりを学びたい方におすすめな本です。
【中級者向け】決算書の読み方 最強の教科書 決算情報からファクトを掴む技術
<内容>
財務3表の知識を活かして実際の企業の決算書の分析方法をレクチャーしています。本書を読めば財務3表を使って企業の決算書を分析できるようになります。
<実際に読んでみて>
ニトリなど実在する企業の決算書を基に分析して、企業の強みや弱みを解説しているので面白いです。決算書を本気で分析したい方にはおすすめの本です。※基本的な財務3表の知識がある前提で解説をしている本なのでご注意ください。
財務分析の勉強におすすな本→【財務分析の勉強におすすめな本5選】現役経理が解説が分かりやすい書籍を紹介
【中級者向け】MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
<内容>
決算書の数値的な作り方ではなく、決算書から企業のビジネスモデルを分析する方法を解説しています。本書を読めば決算書から企業のビジネスモデルを分析できるようになります。
<実際に読んでみて>
企業の分析の題材として、IT系統の最新のビジネスを取り上げているのが時代に合っています。決算書の経理的な要素ではなく、決算書から企業の狙いを分析することを目的として解説しています。最新のビジネスモデルを決算書から分析したい方にはおすすめの本です。
【名著】決算書の読み方の本でベストセラー【解析がわかりやすい】
決算書の読み方の本は種類が多くてどの本を読んで良いか迷うかもしれません。
どの本を読むか迷ったときは、多くの人に読まれているベストセラーの本を読んでみてはいかがでしょうか。
ベストセラーとなっている本は解説が分かりやすかったり、退屈しない本の構成になっていたりと長く読まれるだけの理由があります。
<おすすめのベストセラー本>
<内容>
会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方の続編のほんです。実践編では実在する企業を例にして解説をしているので、より詳しく財務諸表が学べます。
<実際に読んでみて>
上場企業の決算書をもとに企業戦略を分析しているので、内容に興味を持て飽きずに読めますよ。決算書の基本的な読み方を理解した人が、もう少しステップアップしたいときにおすすめのできる本です。
【参考】財務諸表の分析に役立つ資格の紹介
簿記は財務諸表を作成する知識を学べるのに対して、「ビジネス会計検定」は作られた財務諸表を通じた分析力を学べます。
なので、決算書を作成するのではなく、読み方をマスターしたい方向けの検定となっています。
例えば、財務諸表を分析して、企業の財政状態や経営状態を理解する知識を学べます。
ビジネス会計検定のおすすめの3つのポイント
- 財務諸表の分析の手法を学べる
- 財務分析はAIが発展しても必須の知識なので価値が高い
- 企業財務の意思決定に必要なスキルなので実際に役立つことが多い
※試験制度の詳細→ビジネス会計検定公式HP
ビジネス会計検定の1級は日商簿記2級よりも難しいので、まずはビジネス会計検定の2級から始めてみるのがおすすめです。
検定の試験問題は公式テキストから出題されるので、公式テキストを使って勉強することで効率的に点数が上がりますよ。
決算書の読み方を学ぶのにおすすめな本の纏め
決算書を理解できるようになれば、数値から企業の戦略も分かるようになります。
決算書は全ての企業が統一されたルールに基づいて作成しているので、数値は噓をつけません。
決算書の読み方をマスターして数値の裏にある、企業の狙いも読み取ってみてはいかがでしょうか。