キャッシュフロー(CF)はP/L・B/Sのように仕訳と直接は結びつかないので、経理でも苦手とする方が多いです。
私は上場企業の経理で単体・連結ともにCF作成の経験がありますが、一番苦戦したと言っても過言ではない業務ですね。
しかし、CFは一度体系的に理解して覚えれば、実務にも応用がしやすいので早めに勉強することをおすすめします。
この記事では、CFを学びたい方向けにおすすめの本を紹介しています。実際に経理の実務で利用した本なので、決算書を読むだけでなく、業務でCFを担当する方にもおすすめの本ですよ。
では、纏めていきます。
【前提】キャッシュフローを勉強するにはP/L・B/Sの理解があると良い
キャッシュフローは現金の増減を示し、損益計算書と貸借対照表と密接な関係があります。
- 損益計算書は当期の利益を表す⇔キャッシュフローは当期の利益のうちCash(現金)として獲得した部分を表す
例えば、当期の取引が下記の2つの場合は当期利益 +20 CF +100となります。
① 現金 100/売上100
② 材料 80/買掛金 80
- 貸借対照表は一時点の資産・負債・純資産の残高を表す⇔キャッシュフローは期首と期末の現金の変動を表す
例えば、期首の現金が0で期末の現金が100であれば、+100となった要因(例:売上の入金があったなど)をキャッシュフローで示します。
キャッシュフローは、実務でも損益計算書と貸借対照表を元に作成されます。
なので、財務諸表の概念を理解していないと、キャッシュフローの本を読んでも理解が難しく消化不良になってしまう恐れがあります。
財務諸表の理解におすすめな本→【決算書の読み方が勉強できるおすすめの本5選】財務諸表が読めるようになる
【勉強する価値有り】キャッシュフローの重要性
キャッシュフローは財務三表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー)の一翼を担うので、投資家や経理実務に重要視されています。
キャッシュフローを勉強するメリットは大きく分けて3つあります。
- 企業の現金の増減が何に(本業・投資・財務)より生じたかを理解できる
- CFを作成できれば、CFが理解をできるので投資のスキルが身につく
- CFの開示は上場企業では義務付けられているので、幅広い企業で必要とされるスキルである。
極端な話ですが、利益が出ていても売上の現金が一切入金されなければ、企業は倒産をします。
キャッシュフローは、企業の経営を現金の増減から健全であるか分析するのに役立ちますよ。
経理の実務でも、上場企業ではキャッシュフローの作成スキルは求められています。
なので、キャッシュフローの作成が出来れば、経理としての市場価値も高まります。
キャシューフローから1歩踏み込んで財務の勉強をしたい方におすすめな本→【財務の勉強におすすな本5選】現役経理が分かりやすい書籍を紹介
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
また、キャリアに関する質問にも回答させていただきますよ。
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【結論】キャッシュフロー計算書の解説が分かりやすい本5選
では、早速ですがおすすめ書籍を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介します。
- 決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編
- 決定版 キャッシュフロー計算書の基本がわかる本―経営戦略にも投資判断にも役立つ!
- 【図解でざっくり会計シリーズ】6 キャッシュ・フロー計算書のしくみ
- いまこそ再認識! 資金繰りとキャッシュフロー
- 設例でわかる キャッシュ・フロー計算書のつくり方Q&A
では、一つ一つ解説していきますね。
【初学者向け】決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編
<内容>
企業の実例を基に当時の経営状況を加味して解説しているので、飽きずに読めます。本書を読めば会計の専門知識がなくてもキャッシュフローが読めるようになります。
<実際に読んでみて>
キャッシュフローを作るのではなく、読むことに焦点を当てた本です。作る上でも、投資家や監査法人・社内の上層部がキャッシュフローの何に着目しているのかを知ることは重要です。まずは、キャッシュフローの読み方を学びたいと思っている方にはおすすめの一冊となります。
【初学者向け】決定版 キャッシュフロー計算書の基本がわかる本―経営戦略にも投資判断にも役立つ!
<内容>
キャッシュフローの成り立ち・作成方法・活用方法までの流れを初心者向けに解説しています。本書を読めばキャッシュフローの全体像を理解できますよ。
<実際に読んでみて>
分かりやすい言葉で解説しているので、頭に入りやすいです。キャッシュフローを苦手としている人や、初めて学ぶ方がキャッシュフローの概要を知るにはおすすめの本です。
【図解・初学者向け】【図解でざっくり会計シリーズ】6 キャッシュ・フロー計算書のしくみ
<内容>
EY新日本有限責任監査法人が発行したもので、図解を用いてキャッシュフローが初学者にも分かりやすく記載されています。視覚的にキャッシュフローを理解したい方にはおすすめです。
<実際に読んでみて>
基本的な事項も解説していますが、連結CFについても記載しているのでキャッシュフローに必要な知識は一通り抑えられますよ。キャッシュフローを本格的に勉強する前におすすめの本です。流石EYと言える本の仕上がりとなっていますよ。
【中小企業の経理実務者向け】いまこそ再認識! 資金繰りとキャッシュフロー
<内容>
キャッシュフローの解説だけでなく、資金繰り表の具体的な作成方法も解説。中小企業の資金繰り・キャッシュフローは本書を読めば理解できます。
<実際に読んでみて>
実際の資金繰りの作成方法が記載されているのが分かりやすいです。中小企業でこれから資金繰りやキャッシュフローを担当する方にはおすすめな一冊です。
資金繰りの勉強におすすな本→【資金繰りを学ぶのにおすすめな本5冊】解説が分かりやすい書籍を紹介
【大企業の経理実務者向け】設例でわかる キャッシュ・フロー計算書のつくり方Q&A
<内容>
個々の取引を事例ごとに解説しています。大企業で頻出の論点も解説していますので、実務で手元にあると便利な1冊です。
<実際に読んでみて>
実務面に特化して解説されているので、実務に役立ちます。CFの基礎的な知識があることが前提ですが、本書を理解できれば大企業のCFも一通りは作成できるようになりますよ。
【参考】キャッシュフローは簿記1級で学習できる
キャッシュフローを学ぶならば、本だけでなく検定で勉強する選択肢もありますよ。
簿記2級ではキャッシュフローは試験範囲外ですが、簿記1級では試験範囲なので、1級で本格的に学べます。簿記1級をいきなり受験するのは難易度が高いので、簿記2級をまだ取得していない方は、簿記2級からステップアップすることをおすすめします。
簿記のおすすめポイント3つ
- 転職で年収UPに繋がる
- 問題を解くことにより知識が定着する
- 簿記2級は絶対試験なので合格しやすい
<簿記2級の独学でおすすめなテキスト>
簿記2級のおすすめ無料講座→【簿記2級の無料講座おすすめ3選】独学サイトで合格できる【現役CFOが解説】
<簿記1級のCFのテキスト>
経理の実務で知識が早急に必要であれば、簿記1級のキャッシュフローの部分を学習するのも効果的ですよ。
経理で年収UPする方法→【経理は年収が低い?】給料が低い場合の改善策は1つだけ【現役経理が解説】
キャッシュフローを学ぶのにおすすめな本の纏め
キャッシュフローは簿記2級でも学ばない為、苦手とする方が多いです。
キャッシュフローの知識は、資金繰りや投資に必須の知識なので、財務や経営企画の仕事にも役立ちますよ。
キャッシュフローをマスターして、仕事の幅を広げてみませんか。