税理士事務所や会計事務所(以下、税理事務所等)に転職を考えている人は働く環境が気になるのではないでしょうか。
また、税理事務所等に勤務する人は税理試験を目指す人が多く勉強時間を確保しながら働く必要がある人も多いですよね。
税理士事務所等は一般企業と異なり個々の税理士事務所等により働く環境の差が大きく【どの】税理士事務所等に入社するかが重要となります。
この記事では、税理士事務所等の見分け方を知りたい人に向けて、税理事務所で働く税理士である友人に見分け方のコツを聞いてみました。友人だけでなく顧問税理士にもヒアリングしたので税理士業界へ転職を検討している方のお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】税理士業界(会計事務所を含む)はブラックしかない?
税理士業界はブラックな税理事務所等しかないか不安になるかた多いのではないでしょうか。
正直に言えば、一般企業の経理と比較すればブラックになりやすいと言わざるを得ない環境となります。
理由は下記の通りです。
- 税理士業界はサービス業である
- 客単価によっては薄利多売となる
- 所長のワンマンの事務所が多く第三者によるガバナンスが難しい
- 原価の主な構成要素は労務費である
- 繫忙期に業務が重なる
税理士業界は儲け方に構造的な問題を抱えており、顧問報酬が安い事務所は労働者の賃金を抑えるしか利益を上げる手段がありません。
しかし、全ての税理士事務所等がブラックではなく、BIG4を筆頭に従業員が働くメリットがある税理士事務所等も存在します。
なので、入社する税理士事務所等は一般企業に転職する以上に慎重に選びましょう。
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
また、キャリアに関する質問にも回答させていただきますよ。
ココナラで体験談をもとにキャリア相談を承っていますので良かったらご利用ください。→経理のキャリアアップ 経理の転職相談を承ります
【結論】ブラックな税理士事務所見分け方5つ【会計事務所も同じ】
では、早速ですがブラックな税理士事務所等の見分け方を5つを紹介します。
まずは、ブラック企業の特徴を箇条書きで紹介しますね。
- 所長の経歴に一般企業の勤務経験がない
- 担当件数が明らかに多い
- 安さを全面に打ち出す経営戦略を取っている
- 従業員の構成に問題がある
- 求人媒体が無料若しくは廉価
では、一つ一つ解説していきますね。
① 所長の経歴に一般企業の勤務経験がない
一般企業(特に上場企業)での勤務経験がある人は、コンプライアンス教育を嫌と言うほど受けています。
また、一般企業では30代になると部下を管理してチームで成績を上がることが要求されるので、必然的にマネジメント経験が身につきます。
例えば、私の勤務先はプライム上場企業ですが毎年コンプライアンスやマネジメント研修があり、部下の管理方法を学びますよ。
なので、一般企業の勤務経験者が所長の場合にはコンプライアンスやマネジメント意識が高いことが多く働きやすい環境を作るのが得意な人が多いです。
所長が税理士業界の勤務経験しかない場合には、ハードな環境で自分を鍛えた人が多いので部下にもハードな仕事を求めることが多いです。
税理士事務所は所長の方針がダイレクトに反映されやすいので、HPに掲載されている所長の経歴はしっかりとみましょう。
② 担当件数が明らかに多い
税理士事務所等の忙しさは基本的には、自分が担当する顧客の件数で決まると言っても過言ではありません。
顧問を1つ担当すると基本的には下記の仕事をする必要がありますよ。
- 月次決算
- 税務申告(法人税・消費税など)
- 各種問い合わせの対応
また、担当に加えて確定申告や相続の業務も発生することがありますが、担当が多ければイレギュラーで対応する項目も多くなります。
一般的な担当業務の目安は20社前後なので、20社を超えて来ると残業が恒常的に続く環境を覚悟する必要があります。
担当顧問先の売上によって業務量は変わりますがわざわざ担当件数が多い税理士事務所等を選ぶ必要はないのです。
自分の担当件数を増やすのは簡単ですが、自分の担当件数を減らすのは難しいので慣れるまでは少な目な企業を選びましょう。
③ 安さを全面に打ち出す経営戦略を取っている
業界最安値など安さを売りにしている税理士事務所等は要注意です。
安さを売りにする=売上量の増加&人件費の削減で利益を出すのがメインの経営手法になるので、ブラックな環境になりやすいです。
また、安さを売りにする税理士事務所等で担当できる業務は付加価値が低い業務が多いので身につくスキル面でもイマイチとなります。
志望する税理士事務所等のHPを見て最低限度は下記の2つを確認しておきましょう。
- 何を武器にして経営を行っているのか
- 同業他社と比較して料金が異常に安くないか
税理士業界でも付加価値が高く利益率が良い仕事(例:国際税務、相続、コンサルティング系統)もありますよ。
④ 従業員の構成に問題がある
従業員に特定の偏りがある場合には、特定の人が辞める環境になっているので注意が必要です。
例えば、
- 税理士受験生がいないor科目合格者が数年間いない
- 男性しかいないor女性しかいない
- 若手がいない or 若手だけしかいない
- 従業員に対して税理士の割合が極端に少ない(10人の無資格従業員に対して1~2人ほどは有資格者がいるのが通常)
理想は全ての層が満遍なくいることです。
逆に言えば満遍なく全ての層が働いていれば従業員の多様な働き方を受け入れており高確率で働きやすい税理士事務所等です。
従業員の構成は税理士事務所の運営の結果を如実に示しているので、面接などで従業員の構成は聞いてみることをお勧めします。
⑤ 求人媒体が無料若しくは廉価
税理事務所等がどこに求人を出しているかは、企業が人材にどれだけお金をかけられるかの判断材料となります。
例えば、無料で手に入るものと、100万円出して購入したものでは100万円出して購入したものを大事にしますよね。
人材も全く同じで無料で採用する税理事務所等は人材を直ぐにタダで手に入ると考える傾向にあるか、資金力が十分でなく余裕がない税理事務所等になります。
具体的には、下記の媒体で採用している企業は要注意です。
- ハローワーク
- 知名度が低い転職エージェントやサイト
ハローワークは無料知名度が低い転職エージェントやサイトはお試し料金で使用料金が低いことが多いです。
選考の通過率や求人の分析は転職エージェントを利用すれば、楽にできるので特に拘りがなければ転職エージェントを利用することをおすすめします。
税理士事務所や会計事務所の転職におすすめな転職エージェント
税理士事務所や会計事務所の転職に強い転職エージェントを紹介します。迷ったら最大手であるヒュープロに登録しておけば間違いはありません。
エージェント種類 | オススメなポイント | 体験談 |
ヒュープロ | ヒュープロは士業・管理部門特化の転職支援サービスです。 上場/上場予定企業の管理部門(経理・法務)や税理士法人・会計事務所とのネットワークが非常に広く、 業界最大級のマッチング数や日本の主要都市をはじめとして全国9000件以上の掲載求人数を誇ります。 | |
マイナビジョブ20's | 人材サービスを幅広く扱うマイナビの中でも、20代を専門としているのは『マイナビジョブ20's』のみです。 マイナビの情報網を活かしつつも、20代という若年層に特化しているからこその強みがあります。 通常の転職サイトでは掲載されていないような"非公開求人"が80〜90%を占めています。 | 【マイナビエージェントの特徴】体験談と評判からメリットとデメリットを解説します ※マイナビエージェントの体験談を参照 |
【参考】自分の適職を科学的に調べてみる
自分の強みや適職が気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
貴方の選択した回答に基づいて、適職診断を自動で行ってくれる仕組みです。所要時間は約30分程度なので気軽に行えます。結果を見て頂ければ分かりますが、詳細に性格や職務適性を分析してくれます。無料なので気軽に試せるのでおすすめです。
具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
ブラックな税理士事務所見分け方の纏め
税理事務所はブラックなイメージも強いですが、近年少しずつワークライフバランスを意識をし始めています。
しかし、まだまだ税理事務所によって大きな差があるので、ブラックな税理事務所を見分ける必要がありますよ。
税理事務所等は数も多いので貴方に合った税理事務所等を根気強く探してみてくださいね。
市場価値の上げ方に着目して解説しています。転職だけを正解とせずに、現職に留まりながら市場価値を上げる方法も述べられており、選択肢が多くて参考になります。転職を検討している方は是非読んでみてください。 気になった方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
本が無料で読めるAmazonのサービスは下記の記事で纏めていますので良かったら見て下さいね。
【30日間は本を無料で読める】Amazonの電子書籍サービス3つを比較
転職に関するオススメな本→【20代の転職におすすめな本5選】30代の初めての転職にも役立つ書籍を紹介