簿記1級は税理士試験の簿記論や財務諸表論に匹敵する難易度を誇る難関試験となります。
私が勤めるプライム上場企業の経理でも簿記1級まで取得している人は少なく希少性が高い資格といえますよ。
実際に働きながら独学で合格した経理部のメンバーもいますので、合格するための勉強方法を聞いてみました。
この記事では、簿記1級を独学で働きながら勉強して合格した人に向けて、合格者の観点からコツを働きながら勉強するコツを紹介します。実際に経理部で合格した3名の話をもとに記載しているのでお役に立てるかと思います。
では、纏めていきます。
【前提】簿記1級は独学で合格は可能か?→近年は受かりやすくなっている
大前提として簿記1級は独学で合格可能か気になりますよね。
例えば、税理士の法人税や公認会計士などは独学では適切な教材などがなく不可能に近いですが、簿記1級であれば合格の可能性はあります。特に近年は無料講座や市販テキストの充実度合いが増しているので、昔と比較すれば独学でも受かりやすくなっていますよ。
簿記1級の合格が可能な理由は
- 市販の教材が充実している
- 簿記1級の無料解説講座がある(CPAラーニング)
- 歴史が長い試験なのである程度合格のためのノウハウを独学でも調べられる
- 働きながら独学で合格した人も少なくない(感覚ですが経理部だと簿記1級保持者の50%程度は独学かつ働きながら合格してます)
- 試験が年2回あるので単純に受かりやすい
独学でも受かりやすくなっている大きな要因は無料解説動画の存在です。
例えば、公認会計士の予備校で有名なCPAはいちばんわかる日商簿記1級 商業簿記・会計学の教科書を解説する形式で無料講座(CPAラーニング)を開催しています。
独学ではテキストを読むだけでは中々理解が難しい箇所もありますが、解説動画があれば効率的に理解ができますよ。
また、独学が難しければ予備校より廉価な通信講座を利用してみてはいかがでしょうか。
【宣伝】経理のキャリア相談を承ります
経理のキャリアは多種多様なプランがありどの道を目指すかで優先して経験・勉強すべきことは異なります。
例えば、
- 年齢
- 将来経理以外の職種につきたいか
- マネジメントをしたいか
- 制度会計、税務、管理会計、財務、原価計算のどれを武器とするか
- 未経験から経理になるには何をしたら良いか
貴方が置かれている状況をヒアリングして、貴方に最適なキャリアプランをアドバイスさせていただきます。
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【結論】簿記1級に独学で働きながら勉強するコツ5つ
では、簿記1級に独学で働きながら勉強するコツ5つを紹介します。
まずは、箇条書きで纏めていきますね。
- 理論は朝の出勤前に勉強する
- 直前期(試験1ヶ月前)には毎日総合問題を解く
- 個別問題集は100%の正答率になるまで繰り返す
- テキストは1種類を信じるが問題集は沢山解く
- 苦手はあっても良いが捨て問は作らない
では、一つ一つ解説していきますね。
1 理論は朝の出勤前に勉強する
理論は1回マスターすれば安定した得点源になるので試験勉強の初日からコツコツと取り組むのがおすすめです。
理論を効率的に覚えるには、毎日決まった時間かつ脳が疲れていない朝の時間帯が1番効率的です。
具体的な理論の覚え方は
単純作業ですが朝に上記の対策をやるだけで、理論問題は得点源になりますのでやって損はありません。
試験でも必ず安定して解ける問題があると精神的な余裕が生まれますので必ず理論対策は実施しましょう。
朝に勉強する方法→【朝に勉強する社会人は合格する】早起きして朝活する9つのコツ
2 直前期(試験1ヶ月前)には毎日総合問題を解く
個別問題は解けるけど総合問題は苦手な人は多いですが、個別問題が解けるなら総合問題は必ず解けるようになります。
個別問題が解けて総合問題を解けないのは、総合問題の出題形式になれていないだけです。
なので、総合問題を解けば解くほど総合問題の点数は伸びますよ。
ただし、個別問題が解けない(最低でも個別問題集が8割程度解ける)段階で、総合問題を解いても意味がありません。総合問題を解く目的はあくまでも総合問題の形式に慣れるためでインプットが目的ではありません。
総合問題は下記の順番で解くと良いかと思います。
どちらも1度解くだけでなく、3回程度解き直しをして同じ問題が出題されたら必ず正答できる状態にしましょう。
特に過去問で出題された問題は他の受験生の正答率も良く、自分が不正解だと相対試験である簿記1級では不利になります。
3 個別問題集は100%の正答率になるまで繰り返す
簿記1級は難易度が高いので基礎問題ではなく、応用問題対策に注力する人が多いです。
しかし、簿記1級は相対試験なので皆が解けない応用問題は没門となる可能性が高く合否に大きな影響はありません。相対試験で1番重要なことは、皆が解ける基礎問題で失点を最小限にすることとなります。
基礎問題での失点を最小限にするには、個別問題集の正答率を100%にするのが最も効率的です。
大手予備校の市販の個別問題集(TAC・大原)は基礎問題の集合体なので、これらの個別問題集が100%解ければ基礎的な知識は固まりますよ。
応用問題に取り組む前に個別問題集を問題を見た瞬間に解けるような状態にするのが大事です。
4 テキストは1種類を信じるが問題集は沢山解く
INPUTするテキストは1種類に決めて他のテキストに浮気をせずに学習する方が効率的です。
例えば、いちばんわかる日商簿記1級 商業簿記・会計学の教科書とCPAラーニングで勉強すると決めたら、他の予備校(TAC・大原)のテキストは見ないことをおすすめします。
知識が固まっていないINPUTの段階で様々な角度から解説を受けると、脳が混乱をして勉強が効率的に進みません。
しかし、OUTPUTの段階では様々な出題形式に慣れる必要があるので、他の予備校の問題集を沢山解きましょう。
INPUTで基礎的な知識が固まっていれば、総合問題の解説で他の予備校の解き方が解説されていても混乱はしませんよ。
なので、知識が固まる前のINPUTは1種類のテキスト、知識が固まった後のOUTPUTは複数の問題集で勉強するのがおすすめです。
5 苦手はあっても良いが捨て問は作らない
日商簿記1級は難易度が高い論点が沢山出てきます。
例えば、
- 連結会計・持分法
- CVP分析
上記論点は苦手な人が多く捨て問として勉強をせずに試験に臨む人が多々いますよ。
日商簿記1級は各科目に基準点が設けられており、その基準点を下回ると他が満点でも不合格となります。捨て問が出題された瞬間に足切りが確定するので、他が得意論点でも合格が出来ません。
なので、苦手な論点であっても基礎的な問題は解けるレベルにはしておく必要がありますよ。
【無料相談可能】簿記1級に受からないならプロに相談してみる
簿記1級は独学で合格するのに半年~1年近く掛かります。
1人でコツコツと勉強しながらモチベーションを維持するのは難しいです。また、予備校や通信講座は問題の解き方は教えてくれますが、個別の学習のスケジュール管理はしてくれません。
難易度が高い資格は長期の学習スケジュール管理が大切なので、会計系統の資格を専門としたプロがサポートを受ければ学習の継続が容易となります。
英語学習では、学習を継続するためにコーチングを受けるのが主流であり、難易度が高い専門資格も同じようにコーチングを受けることをおすすめします。
会計系統のおすすめコーチングサービスを紹介します。
Quel株式会社は会計専門のコーチングサービスを提供しているので、的確なアドバイスを貰えますよ。
【Quel株式会社】Quel(クエル)コーチング
Quel株式会社は、効率的かつ継続的な学習を通して会計系統の資格の合格を目指したい方のためのオンラインコーチングサービスです。
Quel株式会社を利用するメリットは下記の通りです。
- 厳しい書類選考を通過した合格者がサポート
- 合格者が貴方だけの学習プランを作成
- アプリで勉強の進捗状況を簡単に管理
- 合格者に質問を何度でもできる
- 返金保証が付き(初回の相談は無料→無料相談)
独学の場合だけでなく、予備校と並行して利用する場合でも予備校が弱い部分(学習の進捗管理)に大いに役立ちます。
コーチングの手法が初めてでサービス内容に疑問をお持ちの方は、無料相談で疑問点を聞いてみてはいかがでしょうか。
【参考】自分の適職を科学的に調べてみる
自分の強みや適職が気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
貴方の選択した回答に基づいて、適職診断を自動で行ってくれる仕組みです。所要時間は約30分程度なので気軽に行えます。結果を見て頂ければ分かりますが、詳細に性格や職務適性を分析してくれます。無料なので気軽に試せるのでおすすめです。
具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。
適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
仕事の価値観診断の纏め→【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
簿記1級に独学で働きながら勉強するコツの纏め
簿記1級は独学でも合格できる試験です。
しかし、短期間で合格できる試験ではないので長期的にコツコツと勉強をする必要があります。
簿記1級は認知度も高く取得すれば、企業にアピールになるので興味があれば目指してみてはいかがでしょうか。