資金繰りは会社が倒産をしないために必須の知識と言っても過言ではありません。
利益が出ていても、売上の入金が1年後で手元に現金がなければ従業員に給与や仕入先に代金の支払いはできませんよね。
資金繰りを理解をすることで、入金や支払いのスケジュールを管理して、手元に適切な現金がいくら必要かを計算できるようになりますよ。
この記事では、資金繰りを学ぶために、おすすめの本を紹介します。私は実際に中小企業の経理で資金繰りの管理を行っていたので、実務経験もあります。実務の観点から資金繰りに役立つ本をピックアップしました。
では、纏めていきます。
【前提】資金繰りとキャッシュフローの違いを理解する
資金繰りとキャッシュフローを混同される方は多いですが、別物と理解した方が良いです。
表で纏めた方が分かりやすいので、違いを明確にしますね。
<資金繰りとキャッシュフローの比較表>
項目 | 資金繰り | キャッシュフロー |
作成の目的 | 将来の現金の出入を明確にして資金管理をする(未来予測) | 過去の本業・投資・財務での現金増減を明確にする(過去分析) |
報告対象 | 経営者 | 投資家 |
対象企業 | 全企業 | 上場企業 |
資金繰りは将来の資金計画を理解するために経営者が用いることが多いです。キャッシュフローは過去の企業の業績を投資家向けに報告するために用います。
どちらも重要なスキルですが、混同すると学ぶべき本を間違えますのでご注意くださいね。
キャッシュフロー計算書を学ぶのにおすすめな本→【キャッシュフロー】を学ぶのにおすすめな本5冊【解説が分かりやすい書籍を紹介】
【黒字倒産を防ぐ】資金繰りの重要性を理解する
業績が好調でも倒産をしてしまう会社があります。所謂、黒字倒産は資金繰りの失敗から生じてしまいます。
例えば、当期の取引が下記の2つの場合は当期利益 +20で黒字となります。
① 売掛金 100/売上100
② 材料 80/現金 80
利益がでているので、業績好調な会社に見えますよね。
しかし売掛金の100の支払が仮に100年後だった場合はどうでしょうか。手元にお金がなくて倒産をしてしまいますよね。これが、黒字倒産です。
資金繰りは、将来の資金の出入金を予測して将来の手元現金を明確にします。
経理の実務上は将来の手元現金が不足する場合には借入をしたり、過剰な場合には利息を減らすために返済の計画をすることに活用しますよ。
資金繰りと合わせて、財務諸表についても合わせて理解すると資金繰りが正解に行えます。
財務諸表が理解できる本→【経理がおすすめする会計の本】初心者にも分かりやすい。
【おすすめ】資金繰りの解説が分かりやすい本5選
では、早速ですがおすすめ書籍を纏めていきます。
まずは、箇条書きで紹介します。
- 改訂版 はじめて「資金繰りに悩む社長」を担当したときに読む本
- 資金繰りの不安がなくなる最高の方法
- いまこそ再認識! 資金繰りとキャッシュフロー
- 起業5年目までに知らないとコワイ 資金繰りのキホン
- 激レア 資金繰りテクニック50 単行本(ソフトカバー)
では、一つ一つ解説していきますね。
【会計事務所勤務の初学者向け】はじめて「資金繰りに悩む社長」を担当したときに読む本
<内容>
素人からでも分かることをコンセプトに作成されているので分かりやすいです。資金繰りから会社の経営状況を良くする施策が詰まった一冊です。
<実際に読んでみて>
会計事務所に転職をした友人から貰った本です。中小企業の社長の資金繰り関連職の困りごとを重点的に解説しています。初めて会計事務所や銀行の融資部門で勤務する方にはおすすめです。
【資金繰り表の作成方法が知りたい方向け】資金繰りの不安がなくなる最高の方法
<内容>
数字を入れるだけで資金繰り表が作れるソフトを付属CD-ROMに収録することで、本書を見ながら資金繰りを簡単に作れる設計になっています。
<実際に読んでみて>
会計の知識がない方でも、資金繰りが作れるように解説された本です。難しい用語はなく、自分で一から資金繰り表を作成したい方にはおすすめです。
【中小企業の経理実務者向け】いまこそ再認識! 資金繰りとキャッシュフロー
<内容>
キャッシュフローの解説だけでなく、資金繰り表の具体的な作成方法も解説。中小企業の資金繰り・キャッシュフローは本書を読めば理解できます。
<実際に読んでみて>
実際の資金繰りの作成方法が記載されているのが分かりやすいです。中小企業でこれから資金繰りやキャッシュフローを担当する方にはおすすめな一冊です。
【経営者向け】起業5年目までに知らないとコワイ 資金繰りのキホン
<内容>
現場で直ぐに導入できる施策をピックアップして纏めています。中小企業の会計実務を理解している著者ならではの提案が詰まった一冊です。
<実際に読んでみて>
設立直後に資金繰りが厳しい会社向けに、即効性がある資金繰りの改善施策を解説しています。少しでも資金繰りが楽になる施策を取り入れたいと考えている方におすすめです。
【経営者向け】激レア 資金繰りテクニック50
<内容>
資金繰りの知識だけでなく、実際にキャッシュリッチになるための施策を紹介しています。本書を読めば資金繰りから会社を成長させることができますよ。
<実際に読んでみて>
中小企業に実際に役立つ資金繰りの施策を纏めています。本の通りに実践をするだけで、キャッシュを増やせる施策もあるので一度は目を通して損はありませんよ。将来独立を考えている人にもおすすめです。
【参考】Excelの技能は資金繰りの管理に役立ちます
資金繰りを学ぶならば、合わせてExcelのスキルも取得することをおすすめします。
資金繰りの管理表はExcelで作成することが多いです。なので、Excelの技能を取得することで効率的に資金繰りの表を自動化することができますよ。
資金繰りの作成で必要なExcelの関数は少ないので、Excel関連の本を1冊マスターすれば十分です。
おすすめのExcelの本→【経理で使うExcelの勉強におすすめな本】現役経理が解説
資金繰りを学ぶのにおすすめな本の纏め
資金繰りは会社の経営に必要不可欠な知識です。
利益を上げるのも大事ですが、資金を守るのも大事なことです。
キャッシュリッチになり、適切な投資をすることで会社を急成長させましょう。
一番のおすすめは、起業5年目までに知らないとコワイ 資金繰りのキホンです。本書は会社が資金面からスタートダッシュを決めるために必要な知識が詰まっていますよ。