経理で実務経験を積みたいと思った時に、実務経験を積む手段は経理に転職をする以外にもあります。
入社の難易度や、リスク、転職先で経験できる業務内容を比較して、貴方に最適な方法で実務経験を積むことが大事ですよ。
経理は実務経験を積んで経験者となれば、市場価値が上がり年収UPが狙いやすい職種です。
この記事では、経理の実務経験を積みたい方向けに4つの方法を紹介します。営業から未経験で経理になった体験談に基づいて解説しますので、同じ悩みを持つ方のお役に立てると思います。
では、纏めていきます。
目次
【前提】経理経験なしは転職で強みになる
経理未経験の場合には経理への転職に苦労することもあります。
しかし、経理以外の職種を経験した人材を未経験で取りたい需要も一定程度は必ず存在します。
例えば、営業であれば高いコミュニケーション能力を期待したり、総務であればベンチャー企業は総務も理解している経理を欲しがるなど他の職種の経験が経理で活かせることがあります。
なので、経理経験なしだから必ずしも転職で不利になるとは限りませんよ。
経理は実務でExcelの知識が必ず求められ、また職務経歴書にもExcelの技能は記載できますので勉強は事前に行うことをおすすめします。
経理で使うExcelが学べる本→【経理で使うExcelが学べる本5選】エクセルで業務効率化を狙える書籍を紹介
【結論】経理経験なしから経理になる方法4つ

では、早速ですが未経験から経理の実務経験を積む方法を4つ紹介します。
まずは、箇条書きで纏めていきますね。
- 社内異動で経理に部門異動をする方法
- 一般企業の経理に転職をする方法
- 会計事務所・税理士事務所に転職をする方法
- 経理事務から経理にステップアップする方法
では、一つ一つ解説をしていきます。
①社内異動で経理に部門異動をする方法【大手企業在籍者におすすめ】
大手企業に勤めている場合には、転職で待遇が落ちる可能性があります。
企業に愛着があったり待遇を変えたくない場合には、部門異動で経理を目指すことを検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、部門異動は社内の人事や上司に全てを委ねることになります。なので、経理部の人員の関係で長期間異動が出来ない可能性があるのが注意点です。私は営業から経理への部門異動を4年間希望しましたが、結局は通らずに転職で経理になりました。
部門異動の確立を少しでも上げるには、簿記2級を取得して経理への本気度を示すことをおすすめします。
簿記2級はいざ転職を決意した時も、転職で有利になるので取得を目指して損になることはありませんよ。
【参考】簿記2級の独学におすすめな参考書
簿記2級は通信講座に通った方が効率的なのは間違いありません。
通信講座を検討している方は、まずは大手予備校に資料請求をしてみてはいかがでしょうか。
大原公式資料請求サイト→高い合格実績で選ぶなら資格の大原 簿記1・2級講座
予備校にいきなり通うのではなく、試しにテキストで独学で勉強をしてみたいと方は多数の合格実績がある予備校の参考書を利用することをお勧めします。
簿記2級の参考書は多数発行されていますが、中でも経理メンバーから高評価だったテキストを紹介しておきますね。
<おすすめの参考書>
②一般企業の経理へ転職する方法【20代・30代前半におすすめ】
社内異動と異なり、経理への転職に成功すれば実務経験を直ぐに詰めます。
未経験から経理への転職は難しいと考える方も、35歳以下であればチャンスはありますよ。
具体的には下記のコツを意識すると、早めに内定が得られますよ。
- ポテンシャル採用の求人を狙う
- 英語が話せるなどの強みがない限りは大手企業を狙わない
- 年齢が1歳でも若いうちに行動をする
正直に言えば未経験から一般企業の経理への転職は、若い方が圧倒的に有利です。
なので、転職活動だけでも実際に行ってみて、企業が未経験に求めていることを肌で感じてみることをおすすめします。
経理への転職を検討する場合には、事前に経理の仕事の全体像を把握しておくと転職後にミスマッチが減りますよ。
経理の仕事が学べる本→【中小企業の経理実務の勉強におすすめな本5冊】分かりやすい書籍を紹介
③会計事務所・税理士事務所に転職をする方法【30代後半・40代におすすめ】
経理の実務経験は会計事務所や税理士事務所でも積めますよ。
なので、一般企業の経理へ転職が難しい場合には会計事務所や税理士事務所も検討してみることをおすすめします。
会計事務所と税理士事務所のメリット
- 事務所の数が多いので入社難易度が低い
- 中小企業の決算と税務を複数社担当するので早期に経理の実務経験が積める
- 30代後半・40代の経理未経験者も採用の実績がある
会計事務所や税理士事務所は人材不足なので、入社難易度が低いのが特徴です。
会計事務所や税理士事務所の実務経験を経理経験として扱う企業も増えています。なので、会計事務所や税理士事務所を数年程度経験した後に、一般企業に経理経験者として再度転職をするのも選択肢の一つですよ。
会計事務所への転職を検討する場合には、事前に会計事務所の仕事の全体像を把握しておくと転職後にミスマッチが減りますよ。
会計事務所の仕事が学べる本→【会計事務所の仕事を勉強できるおすすめ本5選】税理士事務所の仕事も理解できる書籍を紹介
④経理事務から経理にステップアップする方法【派遣社員から正社員になりたい方におすすめ】
職歴にブランクがあったり、正社員での就業経験がない場合には、経理事務の派遣社員や契約社員から経理の正社員を目指すことも可能です。
経理事務の経験は、経理への転職で評価されるので、派遣社員を数年経験した後には経理経験者として扱って貰えることがあります。また、派遣社員として入社した後に社内でステップアップして正社員になる方法もあります。
実際に私の勤め先でも派遣社員で入社した方が、正社員に登用されたケースがありますよ。
派遣社員から正社員になる方法→【経理未経験】で派遣社員から正社員を目指す方法を現役経理が解説【20代限定】
【比較表】経理経験なしから経理になる方法の長所と短所の纏め
文章だけでは見づらいので、比較表にして纏めますね。
<比較表>
方法 | リスク | 即効性 | 難易度 |
社内異動 | 低 | 低 | 高 |
一般企業への転職 | 中 | 中 | 中 |
会計事務所への転職 | 高 | 高 | 低 |
経理事務への転職 | 低 | 高 | 低 |
各項目の説明
- 方法:経理の実務経験を積む手段
- リスク:現状からの職場環境の変化が大きければ高・小さいければ低
- 即効性:経理に異動又は転職まで期間が短ければ高・期間が長ければ低
- 難易度:手段の実現可能性が高ければ低・低ければ高
例えば、会計事務所の転職は、転職活動を決意をすれば直ぐに経理の実務経験に付ける可能性が高いですが、職場環境の変化は大きいのでリスクはあります。
4つの方法のうち、どの手段が自分に合っているか迷った場合には、転職のプロである転職エージェントに相談をしてみるのもおすすめです。
経理の転職に強い転職エージェント→【経理に強い転職エージェントのおすすめ】未経験者と経験者別に紹介
【Q&A】経理未経験からの転職でよくある質問
経理未経験の転職でよくある質問を纏めてみました。
現役経理が回答しますので、気になる箇所から見てくださいね。
- 経理のワークライフバランスは?
- 未経験者はブラック企業に入社するしかない?
- 経理の年収は低い?
では、一つ一つ解説をしていきますね。
①経理のワークライフバランスは?
経理は繫忙期と閑散期がはっきりしており、閑散期は定時帰りが基本です。
繫忙期もシステムが進化しており残業時間は10H程度ですので、過度な残業はありません。
勤務先では残業時間が少ないことが評価の対象となることがあるので、定時で帰りやすい雰囲気です。
経理のワークライフバランス→【経理は楽なの?】現役経理が特に楽な業界と仕事の特徴を語る
②未経験者はブラック企業に入社するしかない?
確かに未経験者は闇雲に応募をすると、ブラック企業に入社する可能性が高いです。
悪質な企業は経理の実務経験を餌に、未経験者を安くこき使うことがあります。
ブラック企業は採用コストをほとんどかけません。
なので、企業に高い採用コストが掛かる転職エージェント(例:リクルートエージェント)を使うことでブラック企業を避けられますよ。
未経験者採用であっても、転職エージェント経由であればブラック企業に遭遇する可能性は限りなく0%に近いです。
ブラック企業の見抜き方→【経理でおすすめな企業は?】ブラック会社を見抜くコツ9つ【現役経理が解説】
③経理の年収は低い?
経理の平均年収は約500万円です。
経理は自分の市場価値を上げることにより、平均年収が高い企業に転職することができます。
私は中小企業の経理から上場企業の経理へ転職したことで、30代前半で年収1000万円程度は確保できています。
経理の年収を上げる方法の解説→【経理は年収が低い?】給料が低い場合の改善策は1つだけ【現役経理が解説】
【科学的に診断】経理に向いているか客観的に判断してみる
経理部に未経験で転職をする場合には、リスクもありますので事前に自分が経理に向いているか調べてみてはいかがでしょうか。
選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて適職を診断してくれるプログラムがあります。
コンピテンシー診断は、ミイダスが提供する無料の自己分析プログラムです。
貴方の選択した回答に基づいて、適職診断を自動で行ってくれる仕組みです。所要時間は約30分程度なので気軽に行えます。結果を見て頂ければ分かりますが、詳細に性格や職務適性を分析してくれます。無料なので気軽に試せるのでおすすめです。
具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。

適職診断で使うのは、【職務適性】です。
実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。
※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。
適職診断については下記の記事でも纏めていますので良かったら見てくださいね。
【仕事の価値観の無料診断】転職の成功には適性を知るのが大事な理由
経理の実務経験を積むにはの纏め
経理は実務経験を早く積むのが大切です。
実務経験を早期に積むことで、市場価値を早期に上げることができ、将来高年収を得られますよ。
自分にあった方法で、経理の実務経験を積んでみてくださいね。
市場価値の上げ方に着目して解説しています。転職だけを正解とせずに、現職に留まりながら市場価値を上げる方法も述べられており、選択肢が多くて参考になります。転職を検討している方は是非読んでみてください。 気になった方は Kindle Unlimited で無料で読んでみて下さいね。
本が無料で読めるAmazonのサービスは下記の記事で纏めていますので良かったら見て下さいね。
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