社会人の勉強方法

【税理士試験の財務諸表論】を独学で合格するコツ5つ【理論対策も紹介】

税理士試験の財務諸表論を大手予備校で受講をすると20万円ほどかかるので、いきなり予備校に通うのに躊躇される人も多いのではないでしょうか。

難易度が急激に上がる税法科目とは異なり、簿記論と財務諸表論は独学で合格できる可能性がある科目です。

実際に友人でも独学で合格した人がいますので、友人にコツをヒアリングしてみました。

この記事では、税理士試験の財務諸表論を独学で目指す方に向けて、独学で合格するコツを紹介します。私は働きながら財務諸表を合格しており、友人の1人は独学で財務諸表論を合格した経験があるのでお役に立てると思います。

では、纏めていきますね。

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【前提】税理士試験の財務諸表論は独学でも合格できる理由3つ

そもそも税理士試験の財務諸表論が独学で合格できる試験なのか気になりますよね。

財務諸表論が独学でも合格できる理由は大きく分けて3つあります。

  1. 財務諸表論は独学のための参考書が充実している
  2. 財務諸表論は分からない項目もネットなど調べる手段がある
  3. 理論はあるが税法と比較すればボリュームが少なく独学でもギリギリ対応できる

財務諸表論が独学でも合格できる大きな要因は独学のための教材が充実していることです。税法科目は独学のためのテキストがほとんどないので、独学が事実上不可能に近いです。

簿記論と財務諸表論は初めて税理士試験に挑戦する受験生が多いので税法科目と比較して受験生のレベルが低く独学でも合格できる可能性が高いですよ。

【参考】お金に余裕があるなら予備校の利用がおすすめ

お金に余裕があるならば独学よりも予備校の利用をおすすめします。

財務諸表論は独学でも合格できますが、予備校を利用した方が合格までに要する勉強時間は短くなります。

予備校を利用すれば財務諸表論の勉強時間は500H~700H程度で合格レベルに達しますが、独学であれば700H~900H程度はかかります。

予備校のメリットは理解に時間がかかる論点をプロが簡単な言葉で解説をしてくれることです。そのため、理解のスピードが早まり合格までの勉強時間が少なります。

独学との比較のために大手予備校の1つである大原に無料資料請求をしてみるのもおすすめです→高い合格実績で選ぶなら資格の大原 税理士講座

【結論】税理士試験の財務諸表論を独学で合格するコツ5つ

税理士試験 簿記論 勉強方法

では、早速ですが税理士試験の財務諸表論の合格のコツを8つ紹介します。

まずは、箇条書きで紹介をしますね。

  1. 財務諸表論の受験前に日商簿記2級の学習をすべき
  2. 財務諸表論の独学はテキストと問題集選びに拘る
  3. 勉強の学習速度は予備校と合わせる(理論は前倒しで覚える)
  4. 財務諸表論で市販されている総合問題集は全て解く
  5. 全国模試は大原、TAC、LEC全て受ける

では、一つ一つ解説していきますね。

①財務諸表論の受験前に簿記論の学習をすべき

税理士試験の簿記論と財務諸表論を受験する前に日商簿記2級と簿記論を学習することをおすすめします。

税理士試験の簿記論と財務諸表論は少なくとも日商簿記2級の3倍程度は難しいです。

日商簿記2級を学習して簿記が難しいと感じた場合には、税理士試験の簿記論と財務諸表論を合格するのに非常に苦労します。

税理士試験の簿記論と財務諸表論を予備校で学習すると20万円以上の費用が掛かるので、自分の適性を考える上でも日商簿記2級の受験をお勧めします。

また、日商簿記2級で学習することの60%は簿記論と財務諸表論の学習で役立つので、勉強して損はありませんよ。

日商簿記1級は難易度も高く簿記論と財務諸表論を合格するのと同程度の労力が必要なので、特別な事情が無ければ事前に学習する必要はありません。

<日商簿記2級のおすすめテキスト&問題集>

簿記2級のおすすめテキスト→【簿記2級の独学】におすすめなテキスト3選【初心者向け参考書2023年版】

【参考】簿記論と財務諸表論はどちらを先に勉強すべきか?

簿記論と財務諸表論は学習範囲が被るので同時に学習することをおすすめします。

しかし、時間がなく簿記論と財務諸表論のどちらかに絞る必要がある場合もありますよね。時間がない場合には簿記論を優先してください。

簿記論の計算問題が解けるレベルになれば、財務諸表論の計算の90%は学習済となります。

簿記論を勉強した後に財務諸表論を勉強すれば、財務諸表論の計算は簿記論より簡単なので財務諸表論特有の表示問題を勉強するだけになりますよ。

税理士試験の勉強順番は日商簿記2級→簿記論→財務諸表論が効率的に学習できる順番です。

②簿記論の独学はテキストと問題集選びに拘る

独学で勉強をする場合には良質なテキストと問題集が欠かせません。

良質なテキストと問題集は下記のポイントが大事です。

  1. 大手予備校が発行しているもの
  2. 解説がシンプルで分かりやすいもの
  3. 図解が豊富に掲載されているもの
  4. つまずきやすいポイントを明確にしてくれているもの
  5. 答案用紙がダウンロードできるもの

上記のポイントを満たすテキストと問題集を利用していれば、予備校のテキストと問題集と遜色はないので安心ですよ。

おすすめのテキストと問題集を紹介しておきますね。大手予備校であるTACが出版したもので上記のポイントを全て満たしており安心して学習できます。

個別問題は下記のテキストと問題集を繰り返しとけば、基本レベルの知識は網羅できますよ。

<おすすめのテキストと問題集>

③勉強の学習速度は予備校と合わせる

財務諸表論を独学で勉強をする上でスケジュールを建てることが大事となります。

予備校で財務諸表論を試験までに合格レベルになる方は、下記のスケジュールで勉強に取り組んでいますよ。

税理士試験におすすめなボールペン→【社会人の勉強におすすめなボールペン】税理士試験で10年間試しました

【計算】財務諸表論のスケジュール

  1. 9月~12月:個別問題集を中心に基本論点の取得
  2. 1月~4月:基本的な総合問題集の解き方の取得&応用論点の取得
  3. 5月~8月:本試験レベルの総合問題集の解き方

ポイントは個別問題を年内に完璧にして、年明けからは毎日総合問題集を解く時間を作ることです。

総合問題は個別問題が解けないうちに挑んでも、0点になるだけなので個別問題をある程度完成してから解き始めましょう。

個別問題集は上記で紹介した問題集に加えて、問題の量を確保するために大原が出版している問題集も解いておくことをおすすめします。

<おすすめの問題集>

【理論】財務諸表論のスケジュール

財務諸表論の理論は、最終的には会計基準を暗記する必要がありますが、最初から全てを覚えようとすると挫折します。

なので、最初は財務諸表論の重要語句と意味を理解するようにしましょう。

理論暗記の大まかなスケジュールは下記の通りです。

  1. 9月~12月:重要語句の暗記
  2. 1月~4月:会計基準の結論を暗記
  3. 5月~8月:模試で出題された理論を暗記

TACと大原で出題された理論は、合格レベルの受験生は必ず本試験迄に覚えて来るので暗記が必須となります。

なので、直前期に予備校の模試が始まる前までには、理論の基礎的な部分は完成させることをおすすめします。

理論暗記中にスマホが気になる方は強制的にスマホが利用できなくなるスマホタイムロックを使用してみてはいかがでしょうか。

スマホタイムロックのおすすめ→【スマホタイムロックおすすめ5選】スマホ依存も対策箱やタイマー式で解決【勉強で役立つ】

<重要語句&会計基準の結論を暗記>

【注意点】財務諸表論の理論対策に専門書は不要

財務諸表論の理論対策に税理士試験以外の専門書は不要です。

財務諸表論の理論対策はTACと大原の市販テキスト&市販問題集を完璧にすれば必ず受かる実力が付くように設計されています。

専門書は税理士試験には出題されない無駄な箇所が多く記載されており、税理士試験対策の観点からは効率が悪いです。

もし専門書を利用するとすれば市販のテキストだけで会計基準の意味が理解できないときに、専門書で該当項目を参照する程度で十分です。

私が辞書の代わりに使用をしていた専門書を紹介しますが、時間が溶けるので深入りは禁物です。

<会計専門書>

④ 財務諸表論で市販されている総合問題集は全て解く

財務諸表論はスポーツと似ているところがあります。

  1. 正しいフォームを学び:授業で正しい公式を学び
  2. 正しいフォームを覚え:個別問題集で公式を覚え
  3. 試合で使い方を身につける:総合問題集で公式の使い方を身につける

なので、財務諸表論はスポーツと同じく試合をしている時に考え込んだら負けです。反射で解けるレベルに公式を思いだして手が止まらないことが理想です。

反射で解けるレベルになるには総合問題の数をこなす必要があります。1月から総合問題を解き始めて、本試験迄に市販の総合問題を3回転できると直前期で上位20%に食い込むことができますよ。

また、財務諸表論はスピード勝負なので電卓は簿記に適したものを使うことをおすすめします。

税理士試験におすすな電卓→【カシオの電卓で簿記におすすめ機種5選】現役経理が人気の電卓を紹介【CASIO派集合】

<総合問題 基礎編>

財務諸表論の直前期は毎日総合問題を解く

財務諸表論の合格の最大のポイントはGWからは毎日総合問題を解くことです。

毎日財務諸表論の総合問題を解いていると、時間配分や難問・奇問の見分け方など授業では学べないが、本試験に必要不可欠なスキルが徐々に身につきます。

GW明けになると新規論点も無くなりINPUTの作業がなくなる分、OUTPUTに時間を割きましょう。

<簿記論の直前の勉強スケジュール>

  1. 総合問題を解く
  2. 採点
  3. 見直し→間違えた項目はミスノートに纏めて試験前日に全て確認できるようにしておきましょう。
  4. 見直しで公式が思い出せない項目はテキスト&個別問題集で復習

個別問題がほぼ完成していれば、1.5H程度で回せるので毎日欠かさずやりましょう。

GW明けから始めれば100題程度解けるので十分な練習量になりますよ。

<おすすめ応用総合問題集>

⑤全国模試は大原、TAC、LEC全て受ける

全国模試は自分の実力を図れる良い機会なので必ず受けましょう。

大手予備校であるTAC・大原に加えてLECも受けることをおすすめします。

全国模試で出題された論点は本試験で出題された場合には、合格レベルの受験生は全員正解すると考えるべきです。

なので、独学でも全国模試だけは絶対に受けないと他の受験生と大きな差がついてしまいます。

TAC・大原に加えてLECも受けていれば、その年の出題のトレンドも掴めるので試験委員対策になりますよ。

【参考】財務諸表の理論を独学で覚える方法

財務諸表の理論は覚えにくいので、非常に苦労するかと思います。

私は下記の方法で理論暗記を進めていました。

  • 1回目:スラスラと意味が理解できるまで読み込む
  • 2回目:重要語句を暗記→1週間で全ての理論が周るようにスケジュールする
  • 3回目:文章の本文を丸ごと暗記する→文章はボイスレコーダーに録音して正しく言えているか確認する

文章を丸ごと暗記するときはボイスレコーダーに録音することをおすすめします。自分が言っていることが間違えないかを客観的に確認しないと、間違えて覚えている可能性があります。

また定期的にボイスレコーダーに録音することで、緊張感をもって理論暗記に取り組めますよ。

<勉強用のおすすめボイスレコーダー>

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※合格科目は簿記論・財務諸表論・消費税法・法人税法です。残り1科目は海外駐在となったので一次中断中です。

また、学生時代は家庭教師の経験もあるので勉強のサポートが得意となります。

もし興味があればサービスを利用して頂ければ幸いです。→税理士試験合格を目指す方の相談にお答えしますます

【適職診断】税理士に向いているか科学的に調べてみる

そもそも自分が税理士に向いているか気になったら、科学的に適職診断をしてみてはいかがでしょうか。

選択式の質問に答えるだけで、科学的な根拠に基づいて貴方の適職を診断してくれるプログラムがあります。

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具体例を見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、私の結果を貼り付けます。

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※クリックすると拡大できます

適職診断で使うのは、【職務適性】です。

実際に職務適性を見ると、経理が9と出ています。私自身も経理にとても向いていると考えていますので、分析の精度の高さが伺えます。

※無料登録によりコンピテンシー診断が可能となります。

適職診断について→【自分の価値観の見つけ方】仕事の価値観診断で働きやすい会社も分かる

税理士試験の財務諸表論を独学で勉強するコツの纏め

税理士試験の財務諸表論は理論を早めに覚えることが大事となります。

理論が頭の中でスラスラと出て来るようになれば、理論は合格レベルに達していますよ。

予備校生も勉強を本気でしているのは少数なので、本気で勉強をして予備校生を抜かしましょう。

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  • この記事を書いた人
星のおじさん

星のおじさん

【上場企業!IFRS!経理大好き!】【資格】税理士試験4科目合格(簿・財・法・消)TOEIC800点以上 【経歴】経理未経験→6年後に海外駐在(経営企画系統)【転職】20代:2回 【一言】税理士を目指したら海外で働くことになりました|会計の専門書マニアです(笑)

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